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【徹底解説】スマートハウスとは?メリット・デメリットや必要な設備を紹介

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-04-24
間取り・設備
近年、注目を集めている「スマートハウス」。エネルギー消費量を可視化し、節約につながるだけでなく、IoT機器によってさらに暮らしが便利になることから関心が高まっています。

今回は、スマートハウスとはどのような住宅なのか、スマートホームやZEH住宅との違い、メリット・デメリットや必要な設備についてわかりやすく解説します。


スマートハウスとは?



スマートハウスとは、主に「IT(情報技術)を用いて、照明や冷暖房などの電化製品を制御し、エネルギーの消費量を最適化する住宅」を指します。HEMSというシステムを使って、「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」をコントロールすることで実質的にエネルギーの消費量を抑えることが特徴です。

ただし、近年はIoT技術の進化やIoT機器の普及により、「エネルギー消費量を最適化する住宅」に加え「家庭内の家電や住宅設備をコントロールできる住宅」を意味する場合も増えてきました。


「スマートホーム」との違い

スマートハウスに似た言葉としてよく耳にするのが、スマートホームです。スマートハウスが「住宅」を意味するのに対し、スマートホームは「状態」を指します。スマートホームは「暮らしている人がITによって快適に暮らせるだけでなく、社会インフラなどつながることによって、さまざまなサービスを受けることができる状態」とされています。


「IoT住宅」との違い

IoT住宅とは、IoT技術やIoT機器を取り入れた住宅を指します。IoTとは、「Internet of Things」の略で、直訳すると「モノのインターネット」となります。IoT住宅は、IoT技術を活用し、さまざまなモノをインターネットでつなぎ、快適な生活を実現してくれる住宅です。

スマートハウスがエネルギーの効率的な利用を重視しているのに対し、IoT住宅はIoT技術による自動化・利便性の向上を目的としているのが主な特徴となっています。しかし、近年は2つの言葉や考えが合わさり、「IoT住宅≒スマートハウス」になりつつあるといえます。



「ZEH住宅」との違い

ZEH住宅とは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略語で、「エネルギー収支をゼロ以下にする家」を意味します。家庭で消費するエネルギー量を減らし、太陽光発電システムなどで創り出すエネルギー量を増やすことで、年間で消費するエネルギー量の実質ゼロ以下を目指します。

スマートハウスは、あくまでITによるエネルギーの有効活用が目的であることに対し、ZEH住宅は、「断熱」や「省エネ」「創エネ」など基準や条件がより厳しく定義されていることが特徴です。ただし、スマートハウスとZEH住宅の両方に当てはまる家もあります。


スマートハウスに必要な3つの設備



スマートハウス化するにあたっては、「HEMS」「太陽光発電システム」「家庭用蓄電池」の3つの設備が必要です。ここではそれぞれの設備について解説していきます。


1.HEMS

スマートハウスに欠かせない設備であるHEMS(ヘムス)。HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略語で、電気やガス、水道などのエネルギー消費量を測定、可視化した上で家電や電気設備を最適化するシステムです。

一般的な住宅では、請求書によって1カ月の電気使用量を把握します。しかし、HEMSでは1日単位・1時間単位の電気使用量をより詳細に知ることができます。使用状況から無駄遣いをしているかどうかが把握できるので、結果として省エネ意識につながるといえます。

なお、政府は将来における世界的なエネルギー危機や地球温暖化への対策の一つとして、家庭の消費エネルギーに着目。2030年までに全ての住宅にHEMSを設置するという目標を掲げています。


2.太陽光発電システム

太陽光発電システムは、太陽の光エネルギーを太陽電池(ソーラーパネル)により直接電気に変換する発電方法です。屋根など太陽光が当たりやすい場所に設置して発電します。火力発電などとは異なり、発電時に二酸化炭素を排出しないことが大きな特徴です。

ただし、太陽光発電システムのみを設置した場合、発電した電気を使用できるのは、発電中のみです。夜間など太陽光による発電ができない時間帯は、電力会社から電気を購入しなければなりません。夜間に買電せずに電気を使うには、後述する「蓄電池」が必要になります。


3.家庭用蓄電池

家庭用蓄電池とは、文字通り電気を蓄える機能を持った装置です。太陽光発電システムと組み合わせると、太陽光で発電した電気を貯めることができます。蓄電池に電気を溜めておけば、夜間も買電せずに電気を使えるほか、災害時に電気が使えなくなったときの備えにもなります。

なお、電気自動車(EV)と家の電気を連携させることができる「V2H(ビークル・ツー・ホーム)」を導入すると、蓄電池同様、電気自動車に電気を蓄えたり、充電した電気を家庭で使用することもできます。


スマートハウスのメリット



ここからは、スマートハウスのメリットを確認していきましょう。


電気代が節約できる

スマートハウスにするメリットの一つに「電気代が節約できる」ことが挙げられます。太陽光発電システムと家庭用蓄電池により、電気の自給自足が可能になり、電力会社から購入する電気量を抑えられるためです。

また、HEMSは電気だけでなく水道やガスとも連携できるため、それぞれのエネルギー消費量を見直すことで、水光熱費全体の節約にもつなげることができるでしょう。


家電を遠隔・一括操作できる

家電を遠隔や一括で操作できるのもスマートハウスのメリットです。近年普及が進んでいるIoT機器は、スマートハウスに欠かせないものとなっています。例として、外出先からスマートフォン一つでエアコンや照明の操作が行えるだけでなく、お風呂の給湯なども可能です。必要な家電を一括、あるいは遠隔で操作できるスマートハウスは、快適な暮らしを実現してくれることでしょう。


防犯対策もできる

家のドアを遠隔操作できるシステムを導入することで、防犯対策も行えます。例えば、外出先から施錠状況を確認し、万が一鍵をかけ忘れていた場合は、遠隔操作で鍵をかけることができるので安心です。

さらに、共働き家庭で子どもに鍵を持たせるのが心配な場合も、職場や外出先から施錠・解錠ができるので、子ども自身に任せきりにすることがなくなります。


災害対策につながる

太陽光発電システムによって発電された電気を、家庭用蓄電池に蓄えておくことで、災害による停電が発生した場合も、一定期間電気を使用することができます

また、気象情報に応じて自動、あるいは遠隔操作でシャッターを閉めることも可能。暴風や豪雨、停電などの災害対策がしやすいこともスマートハウスのメリットです。


スマートハウスのデメリット



スマートハウスのデメリットについても見ていきましょう。


導入や運用に高いコストがかかる

スマートハウスのデメリットとして、導入コストが高いことが挙げられます。前述の「HEMS」「太陽光発電システム」「家庭用蓄電池」の設置には高額な初期費用がかかります

例として、太陽光発電システムについて見ていきましょう。資源エネルギー庁の資料によると、2023年における住宅用太陽光発電の設置にかかる費用は、新築の場合1kWあたり平均28.8万円とのこと。一般家庭では3~5kWの太陽光パネルを設置するケースが多いので、およそ86万~144万円の初期費用が必要になるといえるでしょう。


さらに、ソーラーパネルの定期的な点検だけでなく、パワーコンディショナーの交換といったメンテナンスの必要性があり、機器が寿命を迎えた場合は、買い替えの費用もかかることが懸念されます。事前に、初期費用だけでなく買い替えやメンテナンスの費用まで考慮した予算を算出しておきましょう。


プライバシーやセキュリティ上の懸念がある

インターネットへの接続が不可欠であるIoT機器は、家庭内の情報がクラウドに送信されます。セキュリティ対策が十分でない場合、ハッキングによる不正アクセスや機器の乗っ取り、さらにはスマートスピーカーの音声データの流出といった可能性も考えられます。スマートハウスについては、セキュリティの高さやプライバシー保護の観点から検討する必要性があるでしょう。


停電時におけるリスクがある

太陽光発電システムと家庭用蓄電池を備えたスマートハウスは、災害対策として停電時にも電気が使えることをメリットとしてご紹介しました。しかし、停電が長期化した場合、電気が足りず、電化製品が使用できなくなるリスクも懸念されます。特に電気に大きく依存するオール電化住宅の場合、調理や冷暖房器具が使用できないというように、日常生活に支障をきたすことも考えられます。

万が一の場合に備え、「家庭用蓄電池は何時間程度持つのか」「太陽光発電システムとの組み合わせでどれくらいの期間の停電に耐えられるのか」といったことも検討し、必要であれば電気を使わない設備を揃えておくこともおすすめします。


スマートハウス化に向けた補助金制度を設けている自治体もある



太陽光発電システムや家庭用蓄電池など、スマートハウスに必要な機器を導入するには高額な初期費用がかかります。しかし、スマートハウス化に向けた補助金制度を設けている自治体もあります。「(自治体名)スマートハウス 補助金」や「(自治体名)太陽光発電 補助金」といったキーワードで検索してみてください。

なお、補助金制度の対象となる機器や内容、条件は自治体によって異なるため、事前にしっかりと確認しましょう。


大手ハウスメーカーが手がける「スマートハウス」の魅力



大手ハウスメーカー各社は、蓄積されたノウハウをもとに独自の技術を用いて、それぞれの強みを活かしたスマートハウスを手掛けています。独自のHEMSを開発し、省エネ効果が高いだけでなく、便利な暮らしをサポートする機能を充実させているのは、まさに大手ハウスメーカーが手がけるスマートハウスの魅力です。

スマートハウスについて悩んだら、大手ハウスメーカーが手がけるスマートハウスのホームページを見てみましょう。また、住宅展示場に足を運び、直接営業担当者に相談してみるものおすすめです。これまでのノウハウや事例をもとに、理想のスマートハウスを実現するサポートをしてくれるでしょう。



スマートハウスのメリット・デメリットを知り、後悔のない家づくりをしよう



ITを用いて照明や冷暖房などの電化製品を制御し、エネルギーの消費量を最適化するスマートハウス。IoT技術の進化により、エネルギー消費量を抑えるだけでなく、さらに便利で暮らしやすい住宅が実現されつつあります。スマートハウスのメリット・デメリットを把握し、後悔のない家づくりができるといいですね。

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