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木造3階建て住宅のメリット・デメリット。建築基準法による制限と注意点も

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-12-02
基礎知識
近年、都市部を中心に注目を集めている木造3階建て住宅。限られた土地を有効活用し、開放的な空間や趣味の部屋を実現できる点が魅力です。今回は、木造3階建て住宅の特徴や費用相場、建築基準法による主な規制、メリット・デメリットなど、家づくりを検討する上で知っておきたい情報を解説します。


木造3階建て住宅の特徴



木造3階建て住宅は、その名の通り主要な構造材に木材を使用した3階建ての住宅です。鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)と比較して、木造ならではの温かみが伝わる点や、柔軟な設計が可能な点が大きな魅力です。


また、建築時のCO2排出量が4割程度少なく環境負荷を低減できるというメリットもあります。木材の利用が増えれば国内の林業が盛んになり、森林の整備も進みます。これは、カーボンニュートラルやSDGsの実現にもつながる、持続可能な社会の実現に向けた大切な一歩といえるでしょう。環境に配慮した「低炭素住宅」の認定制度を利用すれば、税制上の優遇や補助金を受けることも可能です。



木造3階建て住宅の費用相場



木造3階建て住宅の費用相場は、坪単価でおおよそ45万円~100万円が目安となります。


建物の規模や設計の複雑さ、使用する建材のグレードや地盤の状態、依頼するハウスメーカーによって大きく変動するため、30坪の3階建て住宅を想定した場合、1,500万〜3,000万円ほどが費用の目安となります。


建築基準法による木造3階建て住宅の主な規制



木造3階建て住宅を建築するには、建築基準法に基づいたさまざまな規制をクリアする必要があります。これらは建物の安全性を確保するために重要な項目なので、必ず確認しておきましょう。


構造計算

木造3階建て住宅を建築する際には、原則として構造計算が義務付けられています。構造計算とは、建物の構造が重力(自重・積雪)や風力、地震力に対してどのような影響を受けるかを計算することです。


以前は、高さ13mまたは軒高9mを超える木造住宅に対して高度な構造計算が必要でした。しかし、2025年4月に施行された改正建築基準法により、階数3以下かつ高さ16m以下の木造建築物については、より簡易な「許容応力度計算」で建築可能になりました。


さらに、二級建築士による設計も認められるようになったため、木造3階建て住宅の建築がより容易になり、設計の自由度が高まることが期待されています。


参考:国土交通省「改正建築基準法について」


日影規制

日影規制とは、建物が周囲に落とす影の時間を制限するものです。3階建て住宅の場合、2階建て住宅よりも日影規制を受ける可能性があります。


冬至の日を基準に、敷地境界線からの距離(5m・10m)に応じて影の時間が規制されるため、これを超えない設計が必須です。


耐火地域・準防火地域の規定

都市部などの建物が密集しているエリアでは、防火性能を高めるため、都市計画法に基づいて「防火地域」や「準防火地域」が定められている場合があります。


これらの地域に3階建ての住宅を建築する場合、建造物は耐火建築物または準耐火建築物にする必要があります。建築基準法により、壁や床、屋根といった建物の主要構造部を耐火構造とする、延焼のおそれのある部分(延焼ライン)に、防火戸や防火設備を設置するなどが義務付けられています。


参考:e-Gov法令検索『建築基準法』第五節 防火地域及び準防火地域


地盤調査・改良

建物を建てる前には、その土地が建物の重さに耐えられるかどうかを確認するための地盤調査が必要です。3階建て住宅は2階建て住宅よりも建物が重くなるため、地盤の安定性が特に重要になります。調査により地盤が軟弱だと判明した場合は、地盤改良工事が必要となり、追加費用が発生します。



住宅を木造3階建てにするメリット



木造3階建て住宅には厳しい規制がある一方で、多くの魅力やメリットがあります。


狭小地でも土地を有効活用できる

木造3階建て住宅の最大のメリットは、限られた土地を最大限に有効活用できる点です。特に都市部の狭小地でも、3階建てにすることで必要な延床面積を確保し、理想の住まいを実現できます。


また、木造は変形や加工が比較的行いやすいため、柔軟な設計にも対応できます。これは、土地価格の高いエリアで家を建てる際の大きな強みとなります。


木造は他の工法より費用を抑えられる

一般的に、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比較して、木造は建築費を抑えられる傾向にあります。木造は材料費が比較的安価であり、通気性もよく施工期間が短縮できるためです。
また、木造であれば鉄骨などと比較して建材自体が軽いため、大型クレーンは必要なく、小型のクレーンのみで施工可能です。これにより、全体的な建築コストを下げられるでしょう。


開放感のある空間が実現できる

3階建てならではの高さは、眺望のよさや開放感のある空間を生み出します。周囲の建物に遮られにくいため、上階にリビングを配置することで、明るい日差しと風を呼び込み、プライバシーも確保しやすい空間を実現できます。屋上にテラスやバルコニーを設ければ、より開放的な暮らしが満喫できるでしょう。


自由な間取りをデザインしやすい

木造は、他の工法と比較して間取りの自由度が高いという特徴があります。柱や壁の位置を比較的自由に設計できるため、ライフスタイルに合わせた間取りを検討できます。


例えば、1階をガレージや趣味・仕事のスペース、2階をリビング・ダイニング、3階を寝室や書斎などのプライベートな空間にするなど、各フロアを独立したゾーンとして活用することも可能です。


また、2つの世帯が同じ建物の中で暮らす「二世帯住宅」にも適しているといえます。1階は親世帯の居室、2階は共有のリビング・ダイニング、3階は寝室と子ども部屋、といった使い分けもできるでしょう。



木造3階建て住宅のデメリット



木造3階建て住宅には、多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットもあります。


動線が長くなる

3階建て住宅は、必然的に階段の上り下りが多くなります。これにより、家事動線や生活動線が長くなり、日常生活で不便を感じる可能性があります。例えば、洗面所が1階、リビング・ダイニングが2階、個室が3階であれば、朝の準備だけでも各階を往復する必要が生じ、慌ただしくなるかもしれません。


特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では、階段の負担を軽減する工夫が必要です。階段の傾斜をできるだけ緩くしたり、幅を広くとったり、できるだけ各フロアを行き来せずに完結するような間取りを意識したりすることが重要になります。


2階建てと比較して建築費が高くなる

木造3階建て住宅は、2階建てに比べて建築費が高くなる傾向にあります。これは、複雑な構造計算や防火対策の強化が主な理由です。また、2階建てに比べて狭い範囲に重い荷重がかかるため、基礎を深く厚くしなければならず、基礎工事のコストも高くなります。


さらに、階段の施工に手間がかかることや、外壁塗装をする場合に足場や塗料がより多く必要になることも、コストが上がる要因です。


1階と3階で温度差が生じる

建物が高くなるため、1階と3階で温度差が生じやすいというのも3階建て住宅のデメリットです。温かい空気は上方に溜まりやすい上、上階は日が射しやすく、屋根に近いことから暑くなりがちです。


反対に、1階は冷気が蓄積しやすい、近隣家屋の影で日照を得にくいなどの理由から寒く感じることも考えられます。これを解消するためには、断熱性能の強化や、全館空調システムの導入など、空調計画をしっかり行う必要があります。



木造3階建て住宅を建てる際の注意点



デメリットを最小限に抑え、理想の木造3階建て住宅を建てるためには、以下の点に注意しましょう。


土地の制約を確認する

土地にはさまざまな制約があるため、購入後に3階建て住宅を建てられなかった、希望した間取りにできなかったといったトラブルも考えられます。それを防ぐため、土地の契約前に必ず施工会社や設計士に相談しましょう。


都市計画法により、建築できる建物が決められている地域を「用途地域」と呼び、3階以上の建物が建てられない地域や、厳しい条件が課される地域があります。


また、土地の中で建物を建てられる面積の割合を示す「建ぺい率」にも注意が必要です。3階建ては2階建てに比べて延べ床面積が大きくなる傾向があるため、建ぺい率と容積率に制限がかかることもあります。希望通りの住宅が建てられるか、土地を取得する前に確認しておきましょう。




将来のライフスタイルを想定した設計にする

現在のライフスタイルだけでなく、将来の家族構成の変化や高齢化を見据えた設計を心がけましょう。子どもが独立した、親と同居することになったなど、どんな場合でも対応できるような間取りにすることが大切です。


また、建築当初は家族全員が問題なく階段の上り下りができる場合でも、年齢を重ねることで負担を感じるようになるかもしれません。将来的にバリアフリー化できるよう、ホームエレベーターを設けられるスペースを作っておくことも対策の一つでしょう。


木造3階建て住宅の施工実績が多いハウスメーカーを選ぶ

3階建てのプランニングは難易度が高いため、多くの施工実績がある大手ハウスメーカーを選ぶことをおすすめします。


注文住宅の実績が多く、3階建て住宅の建築にも力を入れているハウスメーカーであれば、法規制やデメリットにも適切に対応できるはずです。不満や後悔の残る家づくりにならないよう、信頼できるパートナーを選びましょう。



木造3階建ての特徴を把握し理想の住まいを実現しよう



木造3階建て住宅は、都市部の狭小地でも土地を有効活用できる点や自由な間取りをデザインしやすい点など多くのメリットがあります。もちろん、2階建て住宅に比べて階段の移動が多くなり、生活動線が長くなりがちといったデメリットもありますが、工夫次第で快適な暮らしが実現できます。

3階建て住宅を検討する際は、インターネットで施工事例を見たり、信頼できるハウスメーカーの担当者に相談したりしながら、ご自身のライフスタイルに合った理想の住まいを手に入れましょう。

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