新築一戸建ての費用総額を徹底解説!相場や内訳、無理のない予算の立て方
住宅購入を考えたとき、「新築一戸建ての費用はいくらかかる?」と平均価格や予算の相場が気になりますよね。住宅ローンの返済計画を立てるためにも、必要な費用を知っておくことは非常に大切です。今回は、注文住宅の購入にかかる費用の総額を徹底解説。平均価格や内訳、ローン返済額の目安をご紹介します。家づくりの最初の一歩として、ぜひ参考にしてください。
はじめに:新築一戸建てにかかる費用の全体像は?
人生で最も大きな買い物である新築一戸建ての費用は、建物本体の価格だけでなく、土地代や諸費用など、さまざまな要素で決まります。全体の費用総額を把握しないまま家づくりを進めると後悔につながることもあるため、まずは、その全体像を掴むことが大切です。
費用相場は、地域によって大きく異なり、一般的に三大都市圏は地方よりも高くなる傾向があります。国土交通省の「住宅市場動向調査報告書(令和6年度)」によると、新築住宅の平均価格は以下の通りです。
| 住宅の種類 | 住宅購入資金(平均) |
|---|---|
| 土地付き注文住宅 | 6,188万円 |
| 分譲戸建住宅 | 4,591万円 |
※注文住宅は全国、その他は三大都市圏
このように、新築一戸建ての費用は、住宅の種類や地域、規模などにより大きく変動するため、建物本体の費用だけでなく、土地代や諸費用を含めた「費用総額」で考えることが大切です。
参考:国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査~調査結果の概要(抜粋)~」
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新築一戸建て完成までのスケジュール
費用の全体像を掴んだら、次に気になるのが家づくりのスケジュールではないでしょうか。一般的な家づくりの流れは以下の通りです。
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このように、家づくりには多くの工程と期間を要します。スムーズに進めるためには、事前の準備が何よりも大切です。
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知っておきたい!新築一戸建ての費用内訳
新築一戸建てにかかる費用は、大きく3つの項目に分けられます。それぞれの内訳が具体的にどうなっているのか、費用を抑えるためのコツとあわせて見ていきましょう。
建物本体の工事費
建築工事費とは、家そのものをつくるための工事費用で、家づくりにかかる費用全体の約70~75%を占めます。基礎や骨組み、壁、屋根、床、そしてキッチンやお風呂といった設備など、家として機能するために必須の工事がすべて含まれます。
多くの注文住宅では、この費用に工事費全体の5〜10%を占める設計料や工事監理費も含まれており、一般的には「坪単価×延床面積」で計算されます。
【費用を抑えるコツ】
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外観に凹凸が多いと、その分資材や工事の手間が増え、費用が上がります。正方形や長方形など、シンプルな箱型のデザインにすることで建築費を抑えられるでしょう。また、キッチン、お風呂、トイレといった水回りの配置を1箇所にまとめると、配管工事がシンプルになり、コスト削減に繋がります。
建物以外の工事費(付帯工事費・別途工事費)
付帯工事費は、建物本体以外で、家を建てるために必要な工事費用です。既存建物の解体費、地盤改良工事費、外構工事費、照明器具工事費などがこれに当たり、本体工事費の15~20%程度が目安となります。
【費用を抑えるコツと注意点】
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コンクリートやタイルを多く使う外構は高額になりがちです。砂利や芝生を取り入れる、デザインを簡潔にするなどの工夫で費用を抑えられます。土地の状況によっては地盤改良工事が必須となります。この費用は省略できないため、土地探しの段階で地盤の状態を確認することが大切です。
諸費用
諸費用は、建物を建てる以外にかかる税金や手続き費用で、住宅購入費用の約10〜12%が目安と言われています。主に、印紙税や登録免許税などの税金や、登記費用、住宅ローン関連費用、引越し費用などが挙げられます。このように、新築住宅を購入するためには、建築費用だけではなく、諸費用や付帯工事費など、さまざまな費用が必要になります。
【費用を抑えるコツ】
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金融機関によって、手数料や保証料は大きく異なります。複数の銀行を比較することで、数十万円単位で費用を抑えられる可能性があります。火災保険も、保険会社によって保険料が大きく変わるため、一括見積もりサイトなどを活用して、最適なプランを選びましょう。
【関連記事】注文住宅の諸費用。シミュレーションでわかる準備すべき費用の内訳
予算別シミュレーションと年収との関係
新築一戸建ての予算を立てる際は、「いくらなら借りられるか」だけでなく、「いくらなら無理なく返せるか」という視点が非常に大切です。
予算別で変わる家の特徴
自分の予算で、どんな家が建てられるのか、価格帯ごとの特徴を見ていきましょう。
1,000万円台:コスト重視でシンプルな住宅に
1,000万円台の注文住宅は、費用を抑えたい方に選ばれる価格帯です。建物の形や間取りをシンプルにすることで、予算を抑えて理想の住宅を購入できます。
2,000万円台:シンプルかつこだわり住宅に
2,000万円台の注文住宅は、1,000万円台に比べて予算に余裕があるため、特定の素材や設備にこだわれる価格帯です。ただし、希望を挙げていくと予算オーバーになりやすいため、「内装は標準設備にしてシアタールームを設ける」「外観は片流れ屋根のシンプルなものにして、お風呂のグレードをあげる」など、優先順位を決めておくことが重要です。
3,000万円台:希望を取り入れた住宅に
3,000万円台の注文は、平均的な価格帯です。広さや設備、間取りなど、希望を実現できる選択肢が広がります。家族で何を重要視するか話し合い、後悔のない家づくりを目指しましょう。
4,000万円台以上:とことんこだわった住宅に
4,000万円台以上の注文住宅は、デザインや素材、設備など、住宅に徹底的にこだわりたい方に選ばれる価格帯です。ただし、住宅ローンの返済額や返済期間が増える可能性があるため、慎重な計画が必要になります。
年収から考える、無理のない借入額と返済額
住宅を建てる上で最も重要なのが、無理のない返済計画を立てることです。ここでは、あなたの年収から現実的な借入額と返済額をシミュレーションしてみましょう。
頭金を増やすメリットと目安
住宅ローンを組む場合、頭金を増やすことで、月々の返済負担を減らすことができます。最近では頭金0円でも住宅ローンを借りられますが、返済額の増加や審査が厳しくなるといったデメリットもあります。頭金を増やすほど、ローン返済額や返済期間を減らせるため、支払う利子も少なくなります。
頭金の平均額は、住宅購入額の10〜20%といわれています。例えば、3,500万円の住宅を購入する場合、350万〜700万円程度が目安となります。
返済負担率から考える資金計画とシミュレーション
返済負担率とは、年収に対する年間のローン返済額の割合のことです。一般的に、住宅ローンの審査は年収の35%以内が目安とされますが、日々の生活費や将来の教育費などを考慮すると、20%以内に収めると安心とされています。それでは、年収500万円の世帯を例に、無理のない予算をシミュレーションしてみましょう。
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これくらいの返済額であれば、住宅ローン審査が通りやすく、日々の生活にもゆとりが生まれるでしょう。
【関連記事】注文住宅の費用内訳を詳しく紹介!相場や予算シミュレーションのポイントも
新築費用を賢く抑える!利用できる補助金・優遇制度
新築一戸建ては、購入価格が高い買い物ですが、国や自治体が提供する補助金や税制優遇制度を賢く利用することで、費用負担を大きく減らせます。
【関連記事】【2025年最新】新築時に活用できる補助金・減税制度をわかりやすく解説|もらえるお金はいくら?
住宅ローン控除(減税)
住宅ローンを組んで住宅を購入した場合、年末時点のローン残高の一定割合が所得税や住民税から控除される制度です。家計の負担を大幅に軽減できるため、必ず確認しておきたい制度です。
参考:国土交通省「住宅ローン減税」
子育てグリーン住宅支援事業
2025年から新たに始まった、高い省エネ性能を持つ住宅を建てる場合に補助金がもらえる制度です。長期優良住宅やZEH住宅の基準を満たすことで、数十万円から百万円を超える補助金を受け取れる可能性があります。
参考:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業」
各自治体の補助金
国が提供する制度だけでなく、お住まいの地域や建設する住宅の種類(例:ZEH、地域材利用など)に応じて、独自の補助金制度を設けている自治体も多くあります。自治体のホームページで確認してみましょう。
例えば、東京都では、独自に設けた「東京ゼロエミ住宅」の認証を条件に助成金を受け取ることができます。これは、高い断熱性能の建材や省エネ性能の高い設備を取り入れた、人にも地球環境にもやさしい住宅を指します。
参考:東京都環境局「「東京ゼロエミ住宅」とは?」
見落としがちな新築購入後の「維持費」と「税金」
新築一戸建ては、購入して終わりではありません。住宅を維持していくためには、長期的にかかる費用も考慮した資金計画が大切です。
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これらの費用は、家を維持するために必ず発生するものです。特に、外壁や屋根の塗り替え、設備の交換といった修繕費は、計画的な積み立てが重要です。また、住宅ローンの返済中に、子どもの教育費や家族の医療費など、思いもよらない出費が発生する可能性も考慮しておきましょう。これらの費用も頭に入れた上で、無理のない資金計画を立てましょう。
まとめ:新築一戸建ての成功は「資金計画」から
新築一戸建ての費用は、単なる建築費だけでなく、土地代や諸費用、さらには購入後の維持費まで含めた費用総額で考えることが大切です。この記事で解説した新築一戸建ての費用の内訳やシミュレーションを参考に、あなたにぴったりの資金計画を立てていきましょう。
もし資金面で不安な点があれば、一人で悩まず専門家であるハウスメーカーに相談してみるのも良いでしょう。無料で相談に乗ってくれるところも多いため、まずは話を聞いてみることから始めるのもおすすめです。