20代でのマイホーム購入。頭金や住宅ローンなど資金計画の疑問点を解説
20代でのマイホーム購入を後悔しないよう、頭金なしでも購入できるのかや、住宅ローン返済に関する資金計画などを知りたい方もいるでしょう。今回は、20代でマイホームを購入するメリット・デメリットや、頭金や住宅ローンについての気になる疑問について解説します。
20代でマイホームを購入するきっかけは?
20代でマイホームを購入するか、賃貸物件を借りるか、住まいについて悩む人もいるのではないでしょうか。近年は低金利で住宅ローンを借りられることもあり、このタイミングでマイホームを購入しておきたいと考える人もいるかもしれませんね。
国土交通省の住宅市場動向調査(2021年度)によると、30歳未満で住宅取得した人の割合は、新築の注文住宅購入が12.7%、分譲戸建住宅購入が15.4%とされています。20代でマイホームを購入する方は少数派ではありますが、一定数いるようです。
では、実際に20代で新築一戸建てのマイホームを購入した方はどのようなきっかけで、マイホームの購入を決めたのでしょうか。いくつか体験談をご紹介します。
「20代前半で結婚しアパートで暮らしていました。子どもが生まれることになり、3人家族だとアパートが手狭になると考え、思い切ってマイホームを購入しました」(29歳女性)
「結婚後はマンションに住んでいましたが、住宅ローンの返済額が、マンションの家賃とそれほど変わらないと知りました。『20代で家を買う』という夢もあったので、低金利のときがチャンスだと考えて一戸建ての購入を決めました」(26歳男性)
20代でマイホームを購入したきっかけとして、子どもが生まれて家族が増えることや、これまで払っていた家賃とローン返済額がそれほど変わらないことが挙げられました。そのほか、結婚を機にマイホームを購入したという声もありました。
マイホーム購入のベストタイミングは人それぞれです。20代でマイホームを購入するメリット・デメリットを知って、住宅購入の時期を検討してみてはいかがでしょうか。
参考:国土交通省「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」
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20代でマイホームを購入するときの資金計画の疑問点3つ
20代でマイホームを購入したいと思っても、頭金や住宅ローンなど資金計画を立てる上で不安を持つ方もいるのではないでしょうか。ここでは、20代で一戸建てを購入するときに気になるポイントを解説します。
疑問点1: 頭金なしでも建てられる?
20代という若い世代ではマイホーム購入に充てられるお金が少なく、頭金なしでは住宅を購入できないのか気になる方もいるかもしれません。一昔前までは、頭金を出さないと金融機関の住宅ローンを借りることができませんでした。しかし、現在は頭金なしでも、住宅ローンを組むことが可能です。ただし、その分借入総額が大きくなり、返済負担も増えることを覚えておきましょう。
一方で、頭金とは別に自己資金として現金の準備はある程度必要です。自己資金の内訳は、建築会社に支払う手付金や引越し費用などが含まれます。いざというときのために、ある程度の現金は手元にあると安心でしょう。
疑問点2:年収が低くても住宅ローンは組める?
20代でも、すでに就職していて収入が安定していれば住宅ローンを組むことができます。非正規社員の場合は、正社員と比べると民間金融機関での借入が難しい場合もありますが、「フラット35」など雇用形態に関係なく申し込める住宅ローンもあるので検討してみるとよいでしょう。また、1人の年収が少ない場合、夫婦の年収を合算するとより多くの住宅ローンが組むことができます。
注意点として、借りられる金額と自分たちにとって最適な返済額は異なるという点も覚えておきましょう。一般的に、住宅ローンの返済比率は、年収の25%以内におさまるとよいと言われています。これは、年収400万円の場合、月々に換算すると8万3,000円以内となります。自分の年収を踏まえた上で、住宅ローンの借入金額を検討していけるとよいでしょう。
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疑問点3: 自己資金を増やす方法は?
20代でマイホームの購入を検討している場合、頭金をより多く支払うために自己資金を増やしたいと考える人もいるのではないでしょうか。自己資金を増やす方法の一つに、親や祖父母からの資金援助があります。マイホームの資金計画を立てる際には、贈与として資金を援助してもえるのか相談してみることも検討してみるとよいかもしれません。
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20代でマイホームを購入する4つのメリット
ここからは、20代でマイホームを購入する4つのメリットを紹介します。若いうちにマイホームを取得する具体的なメリットを把握し、ライフプランを踏まえて検討していきましょう。
《メリット1》マイホームという不動産を早い時期に手に入れられる
20代で住宅を購入しスムーズに住宅ローンを完済できれば、30代で住宅を購入した方に比べ、早い時期にマイホームを不動産として手に入れることができるでしょう。賃貸物件の場合は、毎月家賃を支払わなければなりませんが、その住まいが資産になることはありません。
一方で、一戸建てを購入して、無事ローンの支払いが済めば、その住宅は財産として手元に残ります。老後の賃貸暮らしは不安がつきものです。早めにマイホームを所有できることで、老後の不安を解消できるのは嬉しいポイントでしょう。
《メリット2》余裕をもってローン返済ができる
マイホームを購入する際、20代という早い時期に住宅ローンを組めば、その分ローン返済期間を長く設定できます。金利負担は増えますが、余裕をもったローン返済を進められるでしょう。収入が少ないと必然的に借入可能額も少なくなりますが、見方によっては、「少ない借入金額で済む」というメリットとも考えられそうです。のちに収入が増えれば、ローン返済の負担も軽くなるでしょう。
また、ボーナス返済額を多めにして月々の負担を減らすことも可能です。当初ボーナス返済をしていなくても、収入が増えたタイミングでボーナス返済額をプラスしたり、ボーナス分を繰上返済に回したりすれば、計画よりも早く住宅ローンの返済が完了しますよ。
《メリット3》暮らしやすい環境を手に入れられる
20代からマイホームを手に入れることで、住居にかかる早めに費用が明確になり資産形成がしやすくなることもメリットです。資産形成において、長期運用は重要とされています。20代のうちから、月々の収入から余った費用を少ない額でも投資に回すことで、より資産を増やすことも可能でしょう。
また、住宅ローンを組む際は、団体信用生命保険への加入が一般的です。生命保険などの見直しにより、保険金の負担を軽減できるケースもあるので確認してみてはいかがでしょうか。
《メリット4》暮らしやすい環境を手に入れられる
20代でマイホームを購入する人の中には、結婚や家族が増えることを機に、より過ごしやすい住まいを求める方も多いでしょう。実際に、一戸建てを購入して暮らしが豊かになったという話はよく聞かれます。
一戸建ては独立しているため、子どもの足音や泣き声などの騒音トラブルを回避しやすいのも特徴です。ライフスタイルに合わせた間取りや部屋づくりができるのは、マイホームならではの魅力ではないでしょうか。
20代でマイホームを購入するデメリットと注意点
20代でマイホームを購入するメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。購入する前に、知っておきたいデメリットと注意点を紹介します。
《デメリット1》さまざまな不確定要素がある
20代でのマイホーム購入を検討するときは、転勤や離婚など、予期せぬ事態が発生する可能性があることも理解しておきましょう。20代はこれから先の人生も長く、不確定要素が多いことも事実です。
さらに、年齢とともに住まいに対する価値観が変わることも考えられるため、万が一に備えて、住み替えや売却といったことも念頭に入れておくことも大事でしょう。将来のリスクにも留意しながら、長期的な視点でライフプランを立てておくようにしたいですね。
《デメリット2》借入可能額が低くなることも
20代でマイホームを購入し住宅ローンを組む場合、年収が少ないと、その分借入可能額は低くなるのが一般的です。借入可能額が少ないことで、購入できる物件価格も低くなってしまうことを理解しておきましょう。
物件価格が低いと購入できる住宅の選択肢が絞られてしまうため、ハウスメーカーや工務店などの比較はとても大切になります。住宅価格はそれぞれの建築会社によって異なるため、同じ予算でも、より理想の住宅を建てられる会社を探しましょう。