923cd4cd e89c 42e0 b54f 9b44a904def7

狭小住宅で後悔しない!注意点と家づくりのコツ

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2023-09-11
間取り・設備

都市部などでは土地代が高く、狭小住宅を建てる方も増えています。マイホームを検討している方の中には、狭小住宅を建てて後悔しないか、気になる人もいるのではないでしょうか。3階建ての狭小住宅で後悔しないためのポイントを知りたいなど、狭小住宅について不安や疑問を持つ人もいるかもしれません。今回は、狭小住宅の新築時に押さえておきたい注意点や間取りのポイントなどをくわしくご紹介します。


狭小住宅で後悔のない家づくり


狭小住宅とは、狭い土地に建てられた家のことです。明確な定義はありませんが、一般的に15坪ほどの敷地に建てられた住宅のことを指す場合が多いでしょう。


土地の価格が高い東京都内や土地代の高い駅周辺など利便性のよいエリアでは、建築面積10坪以下の狭小地に建てられた超狭小住宅が見られることもあります。


マイホームとしてこのような狭小住宅を建てて、後悔しないのか心配な方もいるでしょう。狭小住宅は一般的な住宅と比べて注意するべき点もありますが、設計時に間取りなどを工夫をすることで、後悔しない家づくりも可能です。


まずは、事前に把握しておきたい、狭小住宅で後悔しがちなことについて見ていきましょう。狭小住宅について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。



【関連記事】10坪の狭小住宅。2階建て・平屋の間取りや価格、家づくりのコツは?


狭小住宅で後悔しがちなこと。対策方法は?


狭小住宅は土地を最大限活用するため、縦に建物を伸ばし床面積を確保するのが一般的です。しかし、狭小住宅の暮らしを理解していないと、住み始めてから後悔することもあるでしょう。ここからは、実際に狭小住宅に住んだ場合に後悔になりやすいことと、それに応じた対策方法をご紹介します。


後悔1:部屋が狭い

狭小住宅で後悔しがちな点として、部屋の面積が狭くなることが挙げられます。建築時はちょうどよかった家の広さが、子どもが成長したり、人数が増えたりすることにより、窮屈になる場合があるでしょう。


狭小地に家を建てる場合は、子供の成長や老後の暮らしまで考えた間取りにするのがオススメです。設計時は、現在だけでなく将来の家族構成まで見据えた間取りを検討しましょう。


後悔2:空調効率が悪い

狭小住宅を広々とした空間にするために間仕切りをなくすケースがありますが、それにより空調効率が悪くなる場合もあります。一般的に、暖かい空気は上に溜まり、冷たい空気は下に溜まる性質があるため、空間が広くなるほど1階が寒くなりやすいです。


さらに、狭小住宅を建てる地域は周囲の住宅と距離が近いことも。1階は日当たりが悪く、3階は日当たりが良いなどフロアごとの室温が異なる場合、エアコンなどの冷暖房効率が下がるでしょう。部屋の温度を一定に保ちにくく、光熱費が高くなることも考えられます。


そのため、狭小住宅を建てる場合は外気の影響を受けにくくすることに重点を置きましょう。室内の温度を一定に保つために、高気密・高断熱の家にすることが大切です。


後悔3:生活・家事動線が悪い

狭い空間を利用して家を建てなければいけない狭小住宅は、スペースを確保するために3階建てにするケースも多いです。3階建てになると、家の面積は増えますが、階段の上り下りが多くなり生活・家事動線が悪くなる傾向にあります。


特に、年齢を重ねるにつれて上り下りの移動は辛くなるでしょう。動線は暮らしやすさに大きく影響するため、実際の生活や老後をしっかりイメージして間取りを検討する必要があります。


「水回りを一箇所にまとめる」「家事動線を1フロアにまとめる」「トイレは各階に設置する」といった間取りの工夫を取り入れると良いでしょう。ほかにも、老後を考慮し、階段の勾配を緩やかにして踏み面の広さを確保することで、上り下りへの負担が軽減します。


どうしても縦移動の多い生活動線になってしまう場合には、ホームエレベーターの設置もひとつの方法です。設計時にあらゆる事態を想定して検討することで、長く安心した暮らしを実現できるでしょう。


後悔4:収納スペースが足りない

狭小住宅では、家族の過ごす部屋を確保するために、収納スペースが足りなくなる場合もあります。収納スペースを削った場合、部屋にモノが散らかり、逆に部屋として使えるスペースが狭くなってしまうことも考えられます。


実際どの程度の収納が必要なのかをシミュレーションすると後悔が少ないでしょう。また、玄関に収納場所を設けるのもオススメです。帰宅した際の外着や日常の荷物を収納する場所を確保することで、重い荷物を持った移動を減少できます。シューズクロークに、可動棚やハンガーパイプを設置するなど、収納の工夫を検討しましょう。


後悔5:部屋に採光を取り入れにくい

狭小住宅を建てる場合は、限られた土地をフルに活用して家を建てるケースが多いでしょう。そのため、隣家との距離が近くなり、部屋に採光を取り入れにくくなることがあります。暗い家にならないよう「吹き抜けを設ける」「壁紙や家具などを明るい色味にする」など工夫を取り入れたいですね。


採光を取れない場所に、水回りや寝室など「過ごす時間が短い部屋」を配置することも、後悔しないためのポイントです。


後悔6:隣家との距離が近く、プライバシーを確保しづらい

狭小住宅では、プライバシーを確保しづらい場合もあります。隣家との距離が近いと、こちらの生活音が隣家に漏れたり、反対に聞こえたりすることもあるでしょう。


生活音が漏れる原因は、家の材質や構造、間取りなどが考えられますが、狭小住宅でプライバシーを確保するためには、外壁などの防音性能を高める対策を検討しましょう。特に、高気密・高断熱の家は、厚い断熱材があり気密性が高いことから防音効果が期待できるのでオススメです。


高気密・高断熱の住宅はほかにもメリットがあるので、気になる方は以下の記事を参考にしてください。



後悔7:長期優良住宅の認定を受けにくい

長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための構造や設備が備わった住宅のことです。国が認めた基準を満たすことで、「固定資産税などで税制優遇が得られる」「住宅ローン控除額の最大額が増える」など、さまざまなメリットが得られます。


しかし、長期優良住宅の認定基準には「少なくとも1階の床面積が40㎡以上であり、かつ全体の床面積の合計が75㎡以上あること」という住戸面積に関する項目があります。つまり、狭小住宅では認定が受けられない可能性が出てくるのです。


長期優良住宅を優先する場合は土地探しの段階から注意しましょう。「建ぺい率」や「容積率」など土地に関する規制を念頭に入れつつ、1階の床面積が40㎡以上になる建物を建築できるか確認することが重要です。


狭小住宅で後悔しない!6つの間取りポイント


狭小地で注文住宅を新築するときに間取りにおいて後悔しないためには、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。ここからは、狭小住宅で抑えるべき間取りのポイントを6つご紹介します。


ポイント1:生活動線や家事動線をシミュレーションしておく

限られた空間を広く使いたい狭小住宅では、生活動線や家事動線ができる限り交わらないような間取りを検討することが大切です。例えば、「起床してから就寝するまでの家族の動き」や「家事をする際の動き」などをシミュレーションし、交わるところが出てきたら見直しましょう。


シミュレーションで分かったことをもとに「回遊できる箇所はないか」「キッチンとダイニングの動線は短めにする」など工夫できるポイントを、建築会社と検討しましょう。


ポイント2:使用する場所にあわせた収納スペースを検討する

狭小住宅は、いかに収納スペースを確保できるかが、快適に過ごすためのカギとなります。そのため、収納スペースは使用する場所に合わせた検討を心がけましょう。例えば「玄関に天井まで使った大きな収納スペースを確保」「リビングにベンチを作りその下に収納を設ける」など、使用頻度の高い場所は創作によって収納力をアップさせると使いやすくなります。


さらに狭小住宅は、居住スペースを確保するために無駄なスペースをつくらないことも大切。限られた空間を最大限活用するため、階段下などのデッドスペースや壁面なども取り入れながら、上手に収納スペースを確保しましょう。


ポイント3:間仕切りや不要なスペースを減らす

狭小住宅において間仕切りや不要なスペースを減らすことは、部屋の広さを確保するために有効な手段です。ライフスタイルに合わせて間仕切りを取り入れたい場合は、収納家具やパーティションなどで代用できるため、設計時に施工会社と相談するとよいでしょう。


廊下や玄関ホールなどを削ることで居住空間を広くすることも可能です。「リビングから洗面所までを引き戸で仕切る」「玄関土間から直接居室へ入れるようにする」など限られたスペースを上手に活用しましょう。


ポイント4:中庭やフェンスを配置してプライバシーを確保する

プライバシーを確保するために、小さな中庭やフェンスを取り入れるのもオススメです。建物の内部にある中庭は、外からの視線が気にならず、狭小住宅のデメリットである日当たりや風通しの悪さも解決できます。家の内側にサンルームを設置すれば、室内に洗濯物を干しながら採光の確保も可能でしょう。


隣家または道路とリビングが面している場合、外部からの視線を遮るためにはフェンスが有効です。圧迫感の感じにくい、半透明やルーバー状のフェンスを用いるとよいでしょう。


ポイント5:スキップフロア等を取り入れて生活空間を増やす

スキップフロアとは、1つの階層に中2階や中3階など中間となる階層(フロア)を設ける間取りのこと。スキップフロアは生活空間を増やすことができるため、狭小住宅のように限られたスペースを有効活用したい場合に便利な間取りです。


中間のフロアは、収納スペースや子供の遊び場などに活用できるでしょう。狭小住宅で生活空間を確保するための建築実例として、バルコニーや地下室を取り入れる間取りもあります。


【関連記事】スキップフロアの間取りで後悔しない!平屋や和室、リビングに設ける実例を紹介


ポイント7:部屋が広く感じられるよう、窓の位置を工夫する

狭小住宅では、窓の位置を工夫し、できるだけ部屋が広く感じられるようにするとよいでしょう。近隣の建物が屋内から見えない位置に窓を配置し、外へ視線の抜けをつくれば、実面積以上に部屋の広がりを感じられます。


天窓や高窓を設置して明るさを確保したり、隣家の植栽が見える位置に窓を設けて「借景」を楽しんだりするのもオススメです。


狭小住宅にはメリットもたくさん!


狭小住宅には注意すべきこともありますが、以下のようにメリットも多くあります。狭小住宅の家づくりの参考にしてください。


土地代や税金が安くなる

狭小住宅の場合、一般的な土地に対して狭い土地に建てるため、その分土地代が安くなります。税金に関しても、広い土地に比べて「固定資産税評価額」が低くなります。そのため、土地や建物の購入時にかかる「不動産取得税」や「登録免許税」、入居後にかかる「固定資産税」などの税金が安くなるのは嬉しいポイントです。


利便性の高い立地で暮らせる

狭小住宅しか建てられない土地がある場所は、利便性の高い都心部や駅が近い地域が一般的です。会社や学校が都心の場合には、家が近いことで移動時間の短縮につながり、時間の有効活用やストレスの軽減も期待できるでしょう。


高齢になると、車の運転が難しくなることも考えられるため、商業施設や病院などへの移動が便利な立地は、長い目で見ると便利で快適な暮らしを実現できるでしょう。


ランニングコストを安くできる

狭小住宅は居住スペースが小さいため、光熱費を安く抑えることが可能です。彩光が入りやすい工夫ができれば、日中は電気を消して暮らすこともできるでしょう。


さらに、駅に近ければ車を所有しなくても生活が成り立ちます。車を持つ人に比べると、車両代以外にも、ガソリン代やメンテナンス費といった継続的にかかる費用も不要になるため、生活費を抑えた暮らしができるのもメリットです。


狭小住宅が得意なハウスメーカーに依頼しよう


狭小住宅を建てる場合、その土地に合わせた間取りを検討する必要がありますが、ハウスメーカーなら豊富な実績や知識に基づく最適な間取りを提案してくれます。また、経験豊富な営業担当が疑問点についても親身に相談に乗ってくれるので、安心して狭小住宅の家づくりを任せられるでしょう。


狭小住宅が得意なハウスメーカーもあるため、住宅展示場に足を運んだりカタログを取り寄せたりして、検討してみてください。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


狭小住宅で後悔しないための工夫を取り入れよう