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竣工とは?類義語・対義語の意味や、工事完了から引き渡しまでの流れ

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2024-01-11
基礎知識

不動産用語の1つである「竣工」の意味を解説します。対義語や、「完工」や「着工」などの類義語、またそれらの正しい読み方についてのほか、竣工式についてもまとめました。家づくりに必要な知識として、是非ご参考にしてください。


竣工とは?類義語・対義語や竣工との意味の違い


住宅を新築する際、「竣工」という言葉をよく耳にしますが、読み方や正確な意味がわからないという方も多いのではないでしょうか。まずは、家づくりにおいて知っておきたい「竣工」の意味について、類義語や対義語との違いを含めて解説します。


竣工(読み方:しゅんこう)とは、建築工事や土木工事の完了を意味する不動産用語

「竣工」は「しゅんこう」と読み、建築や土木の工事完了を意味します。竣工の「竣」は常用漢字ではないため、竣工の類義語を使ったり、ひらがなで「しゅん工」と表記したりすることがあります。英語では、「complete(動詞:完了する)」の名詞表現で、「完了」という意味を持つ「completion」と書きます。


また、施工業者によっては、同じ読み方の「竣功」と記載するケースもあります。以前は「竣功」と記載することが多かったようですが、現在は「竣工」と記載するのが一般的です。


ちなみに「竣工日(新築年月日)」とは、一般的に「建築工事が完了した日」のことです。竣工日が2023年4月1日の場合、建築工事が2023年4月1日に完了した物件ということになります。新築・中古の区別や築年数なども竣工日を基準としています。


竣工の類義語:「落成」「竣成」「完工」の意味

竣工と似ている意味の言葉(類義語)には、「落成」や「竣成」「完工」などがあります。ここからは、それぞれの言葉の意味についてご紹介します。


落成(読み方:らくせい)

「落成(読み方:らくせい)」とは、建築工事が完了し、建物などが完成することを意味する言葉です。落成は竣工と同じ意味で用いることもできますが、立場の違いで使い分けされる場合もあります。「竣工」は主に建築工事を完了させた施工業者が使う言葉であるのに対し、「落成」は建物の完成を確認した施主が使うケースが多いようです。


竣成(読み方:しゅんせい)

「竣成(読み方:しゅんせい)」は、大規模な建築物(マンションなど)が完成することを意味する言葉です。落成同様、竣工とほぼ同じ意味を持ちます。


完工(読み方:かんこう)

「完工(読み方:かんこう)」とは、建築工事の完了を意味します。竣工と落成は建築工事の完了を意味する言葉ですが、完工は建築物だけでなく外構や内装などを含めた全ての工事が完了した場合に使われます


竣工の対義語:「着工」「起工」の意味

ここからは、竣工と反対の意味を持つ言葉(対義語)について解説していきます。


着工(読み方:ちゃっこう)

着工(読み方:ちゃっこう)とは、建築工事の開始を意味する言葉で、一般住宅の建築工事や道路舗装などの土木工事を始める際に使用します。家づくりで見聞きすることも多い「着工日」とは、建物の建築作業を始める日のことを指します。


起工(読み方:きこう)

起工(読み方:きこう)とは、着工とほぼ同じ意味ですが、大規模な工事を開始する際にはこちらの言葉が使われます。そのため、船の建造に着手する際は、着工ではなく起工が使われます。


建物の完成後に行う「竣工式」とは?



建築工事の三大儀式の1つ

建築工事の三大儀式として「竣工式」「地鎮祭」「上棟式」があります。


「竣工式」とは、建築物が無事に竣工(完成)した事を工事関係者各位に報告し、感謝の意を表しお祝いする神事です。建築物を清め、繁栄を祈るという意味があります。


神事は行わないものの、同様の目的で実施する行事として「落成式」があります。建物を披露してテープカットを行ったり、記念品の贈呈をおこなったりします。竣工式と落成式は、どちらか一方だけ行う場合と、竣工式をしたあとに落成式を行う場合があります。


そのほかの儀式は、以下のとおりです。


  • 地鎮祭(読み方:じちんさい)

建築工事や土木工事を始める前に工事中の安全を祈願する


  • 上棟式(読み方:じょうとうしき)

建物の基本構造が完成し棟上げをするタイミングで、工事が無事に進行していることへの感謝を表す


一戸建ての場合「竣工式」は行わない場合が多い

戸建ての場合、竣工式は執り行わないことが多いようです。しかし、家が完成した喜びを関係者全員で分かち合い、お祝いできると言うメリットもあるため、身内だけで開催したり、工事関係者をいたわるために行う場合もあります。


新生活を気持ち良くスタートさせるために、神主を呼んでお祓いや修祓(読み方:しゅうばつ)というお清めを行うことも多いでしょう。


竣工(工事完了)から引き渡しまでの流れ


新築住宅を建築する際、竣工したらすぐに家を引き渡してもらえるわけではありません。


竣工から引き渡しまでの期間(建築工事が完了した後)は、適切な工事ができたかどうか判断する検査が複数回行われます。工事完了後の検査で住宅に不備が見つかるか否かによっても異なりますが、一般的に1カ月〜2カ月程度かかるでしょう。検査後に手直しや追加の工事が発生した場合は、さらに期間がのびる可能性もあります。


ここからは、竣工から引き渡しまでの流れを見ていきましょう。


<ステップ1>自社検査

建築工事完了後、最初のステップは「自社検査」です。自社検査とは、建築工事を行った施工業者が行う検査のこと。工事を施工した側の責任者や建築士が、計画通りに工事が完了しているかを確認します。


施工業者によっては、自社検査ではなく「竣工検査」と呼ぶケースもあります。


<ステップ2>完了検査

次に行われる「完了検査(工事完了検査)」とは、建築物が建築基準法や建築図面に基づいて工事されているかを、市区町村の建築主事や民間の指定確認検査機関が建築確認する検査のこと


建物の建築を請け負ったハウスメーカーが代理申請するケースが多いです。完了検査の申請は、自然災害などのやむを得ない事情がない限り、建築工事が完了してから4日以内に申請しなければなりません。


検査した結果、適合物件と認証された場合は「検査済証」が交付されます。一方、不適合とされた建築物は原則、適合となるまで建物を使用できません。検査済証が交付されたということは全ての建築確認作業が完了したことを示すため、「竣工日」は検査済証の交付日で確認することができます。竣工日の日付については、新築・中古住宅ともに竣工日が1日変わるだけで必要な手続きが違ってくる可能性があるので、しっかりと確認することが大切です。


<ステップ3>竣工検査(施主検査)

完了検査で無事に検査済証が交付されたら、最後に竣工検査を行います。竣工検査とは、施主が建物の出来上がりについて問題がないかを最終確認する検査のことです。施工業者によっては「施主検査」「内覧会」と言う場合もあります。


竣工検査で確認すべきポイントは以下のとおりです。

  • 室内の汚れや傷
  • ドアや窓の開閉や立て付け
  • 蛇口(水の出方)
  • 電化製品の起動
  • コンセントの位置 など


最終的なチェックとなるため、外観や内観の傷や汚れはもちろんのこと、窓やドアの立て付けや設備の稼働有無などを含めて細部まで確認することが大切です。不備が見つかった場合は、施工業者に伝えて引き渡し前に修繕してもらいましょう。この検査で見つかった不備の手直しがすべて終了した日が「完工日」となります。


ただし、この竣工検査に問題がなかったとしても、入居後に不具合(瑕疵:かし)が見つかるケースもあります。1~2年後に実施される「瑕疵検査」までは不具合がないか確認することが大切です。


【関連記事】新築内覧会後のトラブルを回避!確認したいチェックリストを紹介


<ステップ4>引き渡し

全ての確認作業が終わり、問題がなかった場合、そこではじめて建築を依頼した人(建築主)に「引き渡し」となります。住宅の引き渡し当日は、施工業者から家の鍵や検査済証、設備の保証書・取扱説明書といった建築関係書類一式を受け取ります。


引き渡し時に担当者から書類などの説明を受ける際は、不明点や心配なことがないようにしっかり確認しておきましょう。初めて使用する設備の使用方法やアフターメンテナンスについても、しっかり確認するのがポイントです。


【関連記事】注文住宅を購入!流れや期間のポイントを解説

【関連記事】新築一戸建ての建築期間はどれくらい?スケジュールや大切にしたいポイント


家づくりで必要となる図面などの種類


ここからは、家づくりで必要となる図面の種類などを解説します。


設計図:設計の初期段階で作成される基本的な図面

設計図とは、設計の初期段階で作成される基本的な図面のことです。施主の要望に基づきどのような家にしたいのか、建物の詳細を示した図面のことで、建築工事を行う際に必要となります。建物の形や間取りなどを記した「意匠図」や、建築の構造部材を記した「構造図」、コンセントの配線や水道管・換気などの配管・配線図などを記した「設備図」がこれにあたります。


施工図:設計図をもとに細かい寸法まで記載された図面

施工図とは、設計図をもとに細かい寸法まで記載された図面のことです。工事関係者が設計の意図を把握し、現場の作業を円滑に進めるために作成される図面で、この図面を元に工事が進められます。


竣工図(建物竣工図):竣工時の建物を正確に反映した図面

竣工図とは、完成後の建物に対する詳細を、正確に記載した図面のこと。現場作業中に発生した設計変更などが全て反映されているのが特徴です。施工図に変更点を加えた最終図面となる竣工図は「完成図書」とも呼ばれ、建築後のメンテナンスや将来リフォームする時にも必要となる重要な図面になります。忘れずに建築会社から受け取りましょう。


竣工図書:竣工図に仕様書や計算書などを加えたもの

竣工図書とは、竣工図や仕様書、計算書など建物の情報に関する書類を全てまとめて製本したものです。この中には、各種機器の仕様書や取扱説明書、構造計算書のほか、協力業者一覧や緊急時の連絡席などの書類も含まれます。竣工図書は、建築物の使い方を把握できる取扱説明書のような役割を果たすものです。


あると便利な竣工検査(施主検査)の持ち物は?



竣工検査について、持ち物が知りたいという方も多いのではないでしょうか。


基本的に竣工検査は施工会社と一緒に行うため、手ぶらで行っても問題ありません。ただ、以下で紹介する、あると便利な持ち物もあります。


  • スマートフォン
  • 図面
  • メジャー
  • マスキングテープ など


スマートフォンなどのカメラ機能は、後々のトラブル回避のために建物の不具合や傷を記録しておくのに役立ちます。設計通りに作られているかを確認するための図面やメジャー、傷などの場所を指すためにマスキングテープなどもあると便利です。


大手ハウスメーカーなら家づくりの知識が豊富


大手ハウスメーカーなら、これまでの実績やノウハウを活かした家づくりが可能です。家づくりの知識も豊富にあるため、不動産用語の意味や建築時の流れを知りたい場合も、営業担当者が親身に相談に乗ってくれるでしょう。


公式サイトやカタログを見たり住宅展示場に足を運んだりすることで、大手ハウスメーカーごとの特徴を比較検討できます。理想の住まいを、大手ハウスメーカーで建ててみてはいかがでしょうか。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!検討初期に知りたい基本情報まとめ


竣工の意味や引き渡しまでの流れを把握し、スムーズな家づくりを


竣工とは、建築や土木の工事完了を意味する不動産用語です。竣工と似た意味を持つ「類義語」や反対の意味を持つ「対義語」などさまざまな不動産用語を理解しておくと、家づくりの際にも役立つでしょう。


建築時に執り行う祭式の1つである「竣工式」は、一般的には戸建住宅ではなく、マンションなど大きな建築物の完成時に行います。竣工から引き渡しまでの流れや設計図・竣工図など家づくりで必要となる図面についても把握し、家づくりをスムーズに進められるとよいですね。

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