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鉄骨住宅のメリット・デメリットを徹底解説!木造住宅との違いや後悔しない選び方

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-05-22
選び方

家を建てる際に、鉄骨住宅と木造住宅の選択肢で迷う方も多いのではないでしょうか。寿命や断熱性、耐震性の違いに加え、坪単価や固定資産税などの違いが気になります。今回の記事では、鉄骨住宅の気になる特徴から、後悔しないためのメリット・デメリット、木造住宅との違い、ハウスメーカーが手がける鉄骨住宅の魅力まで家づくりに必要な情報を分かりやすくご紹介します


鉄骨住宅を知ろう


マイホームの構造を検討する上で、候補となるのは主に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3つです。その中でも特に堅牢なイメージのある鉄骨住宅について、特徴を解説していきます。


構造の種類による違いや特徴|重量鉄骨と軽量鉄骨

鉄骨住宅とは、 柱や梁などの建物の主要な構造部に鉄骨を使用した住宅のことです。頑丈で耐久性に優れる鉄骨は、地震や台風などの自然災害にも強いとされています。


鉄骨住宅の建築に使われる鉄骨は、その厚さによって「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」の2種類に分類されます。



特徴
重量鉄骨
  • 厚さ6mm以上の鋼材を使った構造
  • 主にマンションや大型デパートに用いられる
  • 地盤が強い場所でなければ建築できない
軽量鉄骨  
  • 厚さ6mm未満の鋼材を使った構造
  • 鉄骨住宅と言えば軽量鉄骨が使用されることが多い(一部のハウスメーカーを除く)
  • 工期が短く、建築費用を抑えやすい


重量鉄骨は、強靭な構造により、柱の少ない開放的な空間や、大きな窓などの開口部を実現しやすいのが特徴です。大型建築のイメージが強いですが、近年では一部の戸建て住宅(特に3階建て以上や、広い空間を必要とする場合)でも採用されています。


【関連記事】軽量鉄骨造とは?メリット・デメリットや木造・RC造との違いを解説


代表的な建築工法

鉄骨住宅には、主に以下の2つの建築工法があります。


工法特徴
鉄骨軸組構造
(ブレース工法)
  • 軽量鉄骨造に多く用いられる工法
  • 柱と梁をボルトで接合し、筋交い(ブレース)と呼ばれる斜めの部材で耐震性を高める
  • 比較的シンプルな構造で、間取りの自由度も高い
鉄骨ラーメン構造  
  • 重量鉄骨造に多く用いられる工法
  • 柱と梁を溶接によって一体化し、強靭な Rahmen(枠)を構成して高い耐震性を実現
  • 柱や壁の少ない大空間を作りやすい


どの工法が採用されるかは、施工会社や建物の規模によって異なります。理想の住まいを実現するためにも、住宅購入前に工法の特徴を知っておくとよいでしょう。


木造住宅との比較

木造住宅は、柱や壁などの主要構造に木材を使用した建築様式です。柱と梁を基本骨格とし、筋違いや合板で強度を高める木造軸組工法と、柱や梁の代わりに、2インチ×4インチのパネル状の木材を組み合わせて壁や床を構成し、面で建物を支える木造壁式工法(ツーバイフォー工法)があります。


くわしい内容は次項で説明しますが、木造住宅と鉄骨住宅では、以下のような違いがあります。


項目鉄骨住宅木造住宅
耐震性高い工夫次第
耐久性害虫に強い(錆対策は必要)防虫対策が必要 
断熱性・気密性対策次第高い
コスト高い安い
間取りの自由度

重量鉄骨造は高い
軽量鉄骨は制約がある場合あり

比較的自由
※この比較表は一般的な傾向を示したものであり、個々の住宅の仕様や設計によって異なる場合があります。

これまでは、日本の気候風土に適した木造住宅が、多くの新築住宅で採用されてきました。しかし、総務省統計局が公開する「令和5年住宅・土地統計調査」からもわかるように、国内住宅を占める木造住宅の割合は約半数ほどとなっており、近年では、耐久性や安全性を求めて強度とデザイン性の高い鉄骨住宅を選ぶ人が増えていることがわかります。



鉄骨住宅のメリット


鉄骨住宅には、木造住宅と比較してどのような利点があるのでしょうか。ここでは、代表的なメリットをご紹介します。


広々とした空間設計ができる

鉄骨住宅の大きな魅力の一つは、広々とした空間を作りやすいことです。特に、鉄骨ラーメン構造を採用した住宅では、柱と柱の間隔を大きく取れるため、間仕切りの少ない自由なレイアウトが可能で、「リビングを広くしたい」「大きな窓を取り入れたい」といった希望を叶えやすいのが特徴です。

木造建築も設計の自由度は高いですが、耐震性を高めるために壁の配置や、窓のサイズに制約を受ける場合があります。


工場生産のため品質が安定している

鉄骨住宅に使われる主要な部材は、工場生産によって安定供給する仕組みが整えられている場合がほとんどです。これにより、木材のような品質のばらつきを抑え、安定した品質の住宅が供給されるというメリットがあります。信頼できる施工会社であれば、安心して家づくりを任せられるでしょう。


耐震性・耐火性が高い

鉄骨は、素材の鉄や鋼がしなることで地震のエネルギーをしなやかに吸収する性質を持つため、鉄骨住宅は耐震性に優れています。木造住宅と比較して、地震による建物の倒壊リスクが低くなります。また、鉄骨は燃えにくいため、耐火性も高く、木造住宅に比べて火災保険料が安くなるというメリットもあります。


害虫に強い

天然素材を使う木造住宅で懸念されるシロアリなどの害虫被害は、鉄骨住宅では大幅に軽減されます。金属である鉄は害虫の食害を受けないため、長期的に建物の耐久性を維持する上でメリットといえるでしょう。

ただし、鉄骨住宅でも、断熱材や下地材など一部に木材が使用されているケースがあります。これらの木材部分については、定期的な点検や適切なメンテナンスが必要になります。


耐用年数が長い

鉄骨造の住宅は、木造住宅よりも法定耐用年数が長く設定されています。


  • 軽量鉄骨造:19年または27年
  • 重量鉄骨造:34年
  • 木造住宅:22年


建物の実際の寿命とは異なりますが、構造の頑丈さを示す一つの目安となります。適切なメンテナンスを行うことで、より長く住み続けることができるでしょう。



鉄骨住宅のデメリット


鉄骨住宅を検討する上で、事前に知っておきたいデメリットも存在します。主なデメリットとそれらに対する対策を確認しましょう。


坪単価が高く建築コストがかかる

鉄骨住宅は木造住宅に比べて坪単価(住宅本体部分の建築費÷延床面積)が高く、建築コストが大きくなる傾向があります。特に重量鉄骨造は、頑丈な構造ゆえにコストが高くなることが多いです。


また、地盤が弱い土地の場合には、建物の重量を支えるための地盤改良工事が必要となるため、さらに追加費用が発生する可能性があることを念頭に置きながら資金計画を立てる必要があります。建築費用を抑えるためには、地盤が安定しており、既存の建物がない更地を選ぶ、間取りを工夫する、ローコスト住宅を提供するハウスメーカーを検討するなど工夫しましょう。


【関連記事】注文住宅で費用を賢く削る方法!予算オーバーの原因や対策も紹介

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【関連記事】地盤改良工事とは?工事の種類や必要となるケース、依頼時の注意点などを解説


固定資産税が下がりにくい

鉄骨住宅は、木造住宅に比べて経年劣化のスピードが緩やかなため、建物の評価額が下落しにくく、結果として固定資産税が高くなる傾向があります。税金をたくさん支払うことになりますが、見方を変えれば資産としての価値が長いともいえます。


断熱性・気密性が低い

鉄は熱伝導率が高いという性質を持つため、鉄骨住宅は木造住宅に比べて断熱性が低い傾向があります。そのため、夏は外の暑さが室内に伝わりやすく、冬は室内の暖気が逃げやすいというデメリットがあります。高性能な断熱材や断熱サッシなどの設備を採用し、気密性を高めるための施工を行うなど、デメリットを補う対策が必要になります。


錆び対策が必要になる

鉄は、材質の特性として、経年によって水分や空気にふれると錆びる性質があります。特に沿岸部や湿気の多い地域では、錆びの進行が早まる可能性があるため、定期的な防錆処理(外壁の塗装など)が重要になります。メンテナンスを怠ると、建物の耐久性が損なわれる恐れがあるため注意が必要です。

通常、大手ハウスメーカーや信頼できる施工会社では、標準仕様として防錆処理が施されていますが、念のため契約前に詳細を確認しておくことをおすすめします。


大規模なリフォームは難しい

鉄骨住宅は、その堅牢さゆえに、木造住宅のように簡単に構造変更ができません。ライフスタイルの変化にあわせて、大規模なリフォームをしたいとなっても難しいということを覚えておきましょう。鉄骨住宅を選ぶ際には、現在だけでなく、将来的な暮らし方まで見据えた長期的な視点を持つことが大切です。


鉄骨住宅はどんな人におすすめ?



ここまで、鉄骨住宅のさまざまなメリット・デメリットをご紹介してきました。これらの特徴を踏まえると、鉄骨住宅は以下のような志向をお持ちの方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。


  • 自然災害に強く安心して長く暮らしたい方
  • 広々空間やデザイン性の高い住宅を実現したい方
  • メンテナンスの手間をできるだけ減らしたい方
  • 将来的な資産価値を重視したい方


鉄骨住宅は、地震や台風などの自然災害に強い強靭な構造でありながら、柱の少ない開放的な空間や、デザイン性の高い住宅を実現できます。また、経年劣化しにくいため資産価値を下げたくないというニーズにも応えられるでしょう。


ハウスメーカーが手がける鉄骨住宅の魅力


大手ハウスメーカーは、長年の研究開発によって培われた独自の技術を活かし、高品質な鉄骨住宅を提供しています。地震の多い日本において重要な耐震性能を高めるための独自技術や、鉄骨の弱点である錆を防ぐための高度な防錆技術などが挙げられます。


また、独自の構法により、一般的な住宅よりも高い天井高(1階部分で2.7m)や、柱と柱の距離を大きく取った(最大7m)広い空間を作ることができるハウスメーカーもあります。これにより、開放感あふれるリビングや、ライフスタイルに合わせた自由な間取り設計が可能になります。


ハウスメーカーが手がける鉄骨住宅は、それぞれの強みである技術力と設計力を活かし、家庭やライフプランにあった暮らしやすい住まいを提供してくれるでしょう。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


鉄骨住宅のメリット・デメリットを理解して理想の家づくりを


今回は、鉄骨住宅について重量鉄骨と軽量鉄骨の構造の違いや特徴、木造住宅と比較した際のメリットやデメリットをご紹介しました。


鉄骨住宅の大きな魅力は、その優れた耐震性と工場生産による安定した品質です。また、柱の少ない自由な空間設計や、害虫被害を受けにくい点、長い耐用年数もメリットとして挙げられます。一方で、建築コストが高くなることや、断熱性への配慮が必要な点、固定資産税が下落しにくいといったデメリットも理解しておく必要があります。


鉄骨住宅の特性をしっかりと理解し、木造住宅と比較検討しながら、理想の家づくりができるといいですね。

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