
戸建ての平均坪数は何坪?理想の坪数を考えるときのポイント
一般的な戸建て住宅の平均坪数や、何坪あれば理想の一戸建てが建つのかを知りたいと思う方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、土地の面積や部屋の広さを表す「坪数」について、具体的な意味や平均坪数を解説します。国土交通省の資料に基づいた、一戸建てで快適に暮らせる広さの基準や小さい坪数でも理想の住まいをつくる工夫などもご紹介しますので、家づくりの参考にしてください。
坪数の意味。一坪の広さはどれくらい?
坪数とは、土地の面積や建物・部屋の広さを表す単位の1つです。戸建てを検討していると、住宅の敷地面積が「30坪」や「100㎡(平米)」などと表現されているのを目にすることがあるでしょう。1坪は約3.3㎡に相当する広さの単位で、30坪と100㎡はほぼ同じ広さを表しています。
また、部屋の広さを表す単位には「畳」または「帖」が使われますが、不動産業界では「1畳(帖)=約1.65㎡として計算する」と定められているため、およそ2畳(帖)が1坪という計算になります。
なお一般的に、戸建てにおける坪数は、各階の床面積を合計した「延床面積」で語られることが多いようです。
【関連記事】一坪は平米や畳数だとどのくらいの大きさ?坪単価の計算方法や30坪の実例紹介
戸建ての平均坪数は「約30~40坪」
国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によると、2023年の新築における平均延床面積は116.2㎡でした。1坪は約3.3㎡になるため、坪数に換算すると「116.2㎡÷3.3㎡=約35坪」であり、戸建て住宅の平均坪数は約35坪となります。
また、総務省が発表した「令和5年住宅・土地統計調査 住宅および世帯に関する基本集計」によると2023年の一戸建てにおける平均延床面積は126.32㎡でした。坪数に換算すると「126.32㎡÷3.3㎡=約38坪」であり、戸建て住宅の平均坪数は約38坪となります。
これらの結果を踏まえると、戸建て住宅の平均坪数は「約30〜40坪」といえるでしょう。
参考:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
参考:総務省「令和5年 住宅・土地統計調査 住宅および世帯に関する基本集計」
30坪~40坪で建築可能な戸建ての間取り
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【世帯人数別】戸建てに必要な坪数
戸建ての坪数を決定する際は、「最低限の暮らしを確保する広さ」と「快適性を意識した広さ」の基準を理解することが不可欠です。
国土交通省では、住生活の安定や向上を促進するため「住生活基本計画」を公表。そこでは、居住部分の面積の目安を「最低居住面積水準」と「誘導居住面積水準」の2つに分けています。
さらに「誘導居住面積水準」においては、都市部を想定した「都市居住型」と、郊外及び都市部以外の地域を想定した「一般型」の2種類に区分されています。各水準に関する内容は以下の通りです。
<最低居住面積水準> 健康で文化的な住生活の基本とし、必要不可欠な住宅面積に関する水準 ・単身者は25㎡(約7坪・約14畳) ・2人以上の世帯は、10㎡ × 世帯人数 + 10㎡ |
<誘導居住面積水準> 豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅面積に関する水準 └ 一般型 (郊外や都市部以外における戸建住宅居住を想定) ・単身者は55 ㎡(約16坪・約32畳) ・2人以上の世帯は、 25㎡ × 世帯人数 + 25㎡ └ 都市居住型 (都心とその周辺の共同住宅居住(マンションなど)を想定) ・単身者は40 ㎡(約12坪・約24畳) ・2人以上の世帯は、 20㎡ × 世帯人数 + 15㎡ |
※世帯人数において、子どもは3歳未満を0.25人、3歳以上6歳未満を0.5人、6歳以上10歳未満を0.75人として算定する
2人家族の場合
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└ 一般型:75㎡=約22.7坪 └ 都市居住型:55㎡=約16.7坪 |
3人家族の場合
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└ 一般型:100㎡=約30.3坪(87.5㎡=約26.5坪) └ 都市居住型:75㎡=約22.7坪(65㎡=約19.7坪) |
4人家族の場合
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└ 一般型:125㎡=約37.8坪(112.5㎡=約34坪) └ 都市居住型:95㎡=約28.8坪(85㎡=約25.7坪) |
※()内は、世帯人数の内3~5歳児が1名いる場合の面積
参考:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準及び最低居住面積水準」
戸建ての坪数と合わせて知っておきたい坪単価とは
建物の坪単価とは、戸建てを建てるときの1坪当たりの建築費のこと。建物の本体価格を延床面積で割った数値を表しており、この場合の建物の本体価格には、屋外設備工事費や諸経費などは含まれないことが多いようです。
一方で、ハウスメーカーによっては坪単価を計算するときに、延床面積ではなく施工床面積を使う場合もあります。どちらによって算出されているのかもきちんと確認し、建築費の目安とするようにしましょう。
ここからは、国土交通省の資料を参考に、注文住宅と分譲戸建住宅の平均的な購入費用をご紹介します。
平均的な購入費用
国土交通省が発表した「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によると、2023年の平均的な住宅購入費用は以下の結果となりました。
- 注文住宅を購入する場合(住宅のみ)
<全国>4,319万円 |
<三大都市圏>4,943万円 |
- 土地付きの注文住宅を購入する場合
<全国>5,811万円 |
<三大都市圏>6,989万円 |
土地付きの住宅を購入する場合、三大都市圏は地価の高い傾向にあるため、全国と比較すると購入価格に1,000万円以上の差が生まれていました。
参考:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
小さい坪数でも快適な戸建てが実現!理想の住まいづくりのポイント
延床面積や坪数が広いほど、快適な住まいは実現しやすくなりますが、その分コストがかかってしまうのが難点です。ここからは、限られた坪数でも理想の住まいをかたちにするための住まいづくりのポイントをご紹介します。
光を取り込み開放感をつくる
同じ広さの部屋でも、採光や開放感のある空間の方が、家の中が広く見える傾向にあります。一方で、住宅がひしめきあうような地域では、思うように室内に光を取り込むことが難しいこともあるでしょう。
そのような場所に家を建てる場合は、中庭をつくることで、周囲の視線を遮りながらも空からの光や風を取り込むことが可能です。また、天井を高くしたり勾配天井を取り入れたりすることで、視界が上の方に広がり開放感が生まれるでしょう。
無駄なスペースをつくらない
小さい坪数の住宅の場合、利用用途を考慮し、通路の役割しか果たさない廊下などのデットスペースをできるだけつくらないといった工夫も大切です。部屋をつくると、どうしても坪数が増えたり多くの建材を使用したりすることにつながります。
「1つの部屋を複数の用途で活用する」「廊下は収納も兼ねる」など、スペースを上手に活用しましょう。
コンパクトな家事動線を意識する
将来を見越して、長く快適に暮らしたいという思いから、平屋を希望する方が増えています。平屋は、階段や2階の廊下が削減できる分、生活動線がシンプルになり、限られたスペースでコンパクトな暮らしを実現できる傾向にあります。
2階建てでも、回遊動線を意識した間取りを実現することで、家族同士の往来がスムーズになり快適な暮らしが実現しやすくなるでしょう。
限られた坪数でも理想の住まいを。ハウスメーカーとの家づくり
大手ハウスメーカーは、それぞれの強みを活かして、立地条件や住まいに求める項目などに合わせて、各家庭の理想の住まいを実現するお手伝いをしています。小さい坪数でも、狭さを感じさせない間取りプランを提供してくれるでしょう。
ハウスメーカーと家づくりを進める場合には、資料請求をするだけでなく、実際に住宅展示場へ足を運んでみるのもおすすめです。各ハウスメーカーの独自の技術や仕様・デザインなどを比較して、理想の住まいを見つけていきましょう。
マイホームの平均坪数はさまざま。暮らしにあった坪数を考えよう
今回の記事では「坪数」の意味や、全国の平均坪数などをご紹介しました。国土交通省の資料などを参考に、実際に一戸建てを建てるには何坪くらいの建築面積が必要なのか検討してみてはいかがでしょうか。
地域や家族構成によって、理想的な坪数はそれぞれです。戸建ての大きさに悩んだ際には、ハウスメーカーなどプロの力も借りながら、満足できる戸建て住宅を購入できるとよいですね。