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エコ住宅で補助金を受ける基準や条件は?設備事例やデメリットも解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-01-27
間取り・設備

エコ住宅とはなにか、補助金制度やメリット・デメリットについて知りたい方もいるのではないでしょうか。今回は、エコ住宅の種類や利用できる補助金・税制優遇制度のほか、太陽光発電など採用されることの多い設備について、詳しく解説します。注文住宅などを購入する際の参考にしてみてください。


エコ住宅の定義と種類


日本では現在、温室効果ガスの排出削減や、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指し、地球温暖化対策の取り組み強化を図っています。その中で注目されているのが、エネルギー消費の約3割を占める「建築物分野での省エネ対策」です。まずは、エコ住宅の定義や種類を確認していきましょう。


エコ住宅とは、自然エネルギーを活用した環境に優しい住宅

エコ住宅とは、住まいの気密性や断熱性を高め、家庭の消費エネルギーを抑えた住宅のことを指します。エコ住宅は地球温暖化問題に対する対策の一つとしての位置づけであり、建築を促すために補助金制度も設けられています。


なお、一般的にエコ住宅と呼ばれる住まいは、各省庁によって呼び名や定義が異なります。


環境省では「エコハウス」と呼び、地域の気候風土や敷地の条件、住まい方に応じて自然エネルギーを最大限に活かし、環境に負担をかけない方法で建てられた住宅と定義しています。


国土交通省と経済産業省では「省エネ住宅」と呼び、高気密・高断熱等により暖冷房のエネルギー消費を抑えることのできる住宅として、省エネ基準を定めています。


それぞれ呼び名が違うものの、同じような目的をもって建てられた住宅と言えるでしょう。


エコ住宅の種類。基準や条件を解説

エコ住宅と一口に言っても、さまざまな種類があります。具体的にどのようなエコ住宅があるのか、住宅ごとの定義や基準を解説します。


【長期優良住宅】長期に渡り安心して快適に暮らせる住宅

長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用することのできる住宅のことです。「長期に使用するための構造及び設備を有している」「一定面積以上の住戸面積を有している」など、定められた基準を満たす必要があります。各自治体の所管行政庁に認定申請を行えば、長期優良住宅として認定を受けることができます。


参考:国土交通省「長期優良住宅のページ」


【関連記事】長期優良住宅とは?条件やメリット、申請時の注意点をわかりやすく解説


認定低炭素住宅:CO2抑制を目的に低炭素化に資する措置を講じた住宅

認定低炭素住宅(低炭素建築物)とは、建物内における生活や活動に伴って発生するCO2を抑制するための低炭素化に資する措置を講じた住宅を指します。この制度は2012年12月に施行された「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」の中で、基準が定められています。2020年10月からは改正された新基準となり、認定基準の引き上げや要件項目の追加などが行われました。


具体的には、省エネ法の省エネ基準に比べ、一次消費エネルギーを20%以上削減するほか、節水対策やヒートアイランド対策といった9項目の低炭素化に資する措置の内1項目以上行うことなどが要件となります。認定を受けるには、所管行政庁への申請が必要です。


参考:国土交通省「低炭素建築物認定制度関連情報」

参考:国土交通省「エコまち法に基づく低炭素建築物の認定制度の概要」


ZEH(ゼッチ)住宅:エネルギー収支をゼロまたはプラスにする住宅

ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入し、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとなることを目指した住宅のことです。国においても、政府目標を定めたロードマップを策定し、ZEH住宅普及を推進しています。


参考:経済産業省資源エネルギー庁「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について」


【関連記事】ZEH住宅とは。メリット・デメリットや補助金制度、注意点を紹介


LCCM(エルシーシーエム)住宅:CO2収支をマイナスにする住宅

LCCM住宅とは「ライフ・サイクル・カーボン・マイナス住宅」の略で、ライフサイクルを通じてのCO2収支をマイナスにする住宅のことです。住宅を建てるところ(建設時)から、住んでいる間(運用時)、そして建て替えや取り壊し(廃棄時)までCO2削減に取り組み、さらに太陽光発電などにより再生可能エネルギーを創出することで、CO2の収支のマイナスを目指します。


LCCM住宅は、長寿命かつ一層のCO2削減を目標とする上で、最終的に行き着く住宅のカタチと言えるでしょう。定められた要件を満たすことで、認定を受けられます。


参考:国土交通省「ZEH・LCCM住宅の推進に向けた取組」


性能向上計画認定住宅:「建築物省エネ法」の基準を満たす住宅

性能向上計画認定住宅とは、「建築物省エネ法」で制定された基準を満たす住宅のことを指します。エネルギーの消費性能が省エネ基準を超え、かつ、国で定める基準に適合するものが対象です。都道府県または市区町村から認定されれば、容積率の特例を受けることができます。


参考:一般社団法人住宅性能評価・表示協会「性能向上計画認定とは」

参考:国土交通省「建築物省エネ法について」


エコ住宅建築で受けられる補助金


エコ住宅の建築には、補助金を利用できるケースが多いです。ただし、住宅の種類ごとに受けられる補助金は異なるため、ハウスメーカーや工務店などの施工会社に相談しながら、補助金等の申請準備を進められるとよいでしょう。ここでは、どのような補助金があるのか解説します。


子育てグリーン住宅支援事業

従来の高い省エネ性能を満たした新築住宅を立てる子育て世帯や若者夫婦世帯を対象とした「子育てエコホーム支援事業」の後継として、2025年には「子育てグリーン住宅支援事業」がスタートすることが決まっています。対象となるのは、「GX志向型住宅を新築するすべての世帯」か「長期優良住宅やZEH水準住宅を新築する子育て世帯等」などです。子育てエコホーム支援事業に続く新たな支援策として、より多くの世帯が対象となり、幅広い住宅の改修に対応できることが期待されています。


具体的な要件や補助金額は、国土交通省のホームページをご確認ください。

参考:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業について」


ZEH補助金制度(2024年度)

ZEH住宅を購入する場合、ZEHの性能によって1戸あたり55万円から最大100万円の補助金が交付されます(2024年度)。「ZEH+」においては、断熱等性能等級6以上の外皮強化に対して1戸あたり25万円が追加補助。ただし、補助金を申請する場合には、SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)に登録された「ZEHプランナー/ビルダー」に設計・建築の依頼、または販売する住宅でなければなりません。


公募期間内に申請を行い、審査を受ける必要があるため、間に合わないといったトラブルのないよう、早めにスケジュールを確認しておきたいですね。


参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「2024年の経済産業省と環境省のZEH補助金について」


【関連記事】ZEH住宅とは。メリット・デメリットや補助金制度、注意点を紹介


給湯省エネ事業

給湯省エネ事業とは、2030年度におけるエネルギー需給の見通しの達成に向け、高効率給湯器の導入支援を行い普及拡大を図る制度です。設置する住宅は、新築およびリフォームが対象です。設置する給湯器は、エネファームやハイブリット給湯機、エコキュート、補助金額は最大で15万円です。


このほか、各地方自治体において独自の補助金、助成金制度を設けているケースが多いです。建築予定地の自治体ホームページを確認してみるとよいでしょう。なお、国の制度と併用できない場合もあるため、内容を十分に確認しましょう。


参考:経済産業省資源エネルギー庁「給湯省エネ2024事業」


エコ住宅に対する贈与税などの税制優遇制度


エコ住宅を購入した場合には、税制面でも優遇措置を受けられます。ここからは、エコ住宅取得によって得られる優遇措置の制度をご紹介します。


住宅ローン減税(控除)の適用

銀行からの融資を利用してマイホームを購入した場合に利用できるのが住宅ローン減税です。一定の要件を満たせば、年末のローン残高の0.7%を所得税や住民税から13年間にわたって控除されます。


住宅取得において税制優遇が大きい制度である一方で、2024年以降に新築の建築確認を受けた一般的な住宅は、住宅ローン減税の制度は適用されません。しかし、長期優良住宅や低炭素住宅などのエコ住宅を建築した場合は、住宅ローン減税の対象となります。


さらに、エコ住宅であれは、住宅ローンを利用せず自己資金のみで取得する場合でも、所得税が控除される「投資型減税制度」を利用できます。


参考:国土交通省「住宅ローン減税」

参考:国土交通省「投資型減税(所得税)」


贈与税幅の拡大

親族等から住宅取得資金の贈与を受ける場合、一定の要件を満たしたエコ住宅の建築は、従来の住宅に比べ贈与税の非課税限度額が大きくなります


さらに、住宅や土地を取得する際に必要となる「登録免許税」や「固定資産税」、「不動産取得税」などの優遇制度もあります。詳しい内容は国税庁のホームページ等で確認しておくとよいでしょう。


参考:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」


住宅購入時の贈与税について詳しく知りたい方はこちら

【関連記事】【2024年】住宅資金贈与は最大1,000万円まで非課税。手続き方法や注意点


新築時にかかる税金について詳しく知りたい方はこちら

【関連記事】新築時にかかる税金はいくら?控除制度や税金対策について解説


エコ住宅へのリフォーム工事で活用できる補助金制度もある


省エネ改修などエコ住宅を目指したリフォーム工事を行う際に活用できる補助金、助成金制度もあります。省エネリフォームを支援する2つの制度をご紹介します。


既存住宅における断熱リフォーム支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは、省エネ効果が見込まれる高性能建材である断熱材や断熱窓などを用いたリフォーム事業です。家全体だけでなく、居間のみといった部分断熱にも対応しています。リフォームの内容で異なりますが、120万円以上の補助を受けられるケースもあります。


参考:公益財団法人北海道環境財団「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業」


先進的窓リノベ2025事業

先進的窓リノベ2025事業とは、既存住宅における窓の断熱性能を高めることを目的とした事業です。窓の断熱改修において、一戸あたり最大で200万円までの補助金が交付されます。


なお、先述した2024年度の「子育てエコホーム支援事業」に続き、2025年にスタートする「子育てグリーン住宅支援事業」においてはリフォームも対象です。エコ住宅設備の設置以外にもさまざまな項目が対象となるため、リフォームを検討している方は確認しておくとよいでしょう。


参考:経済産業省「先進的窓リノベ2025事業の概要」

参考:こどもすまい支援事業事務局「子育てエコホーム支援事業」

参考:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業について」


エコ住宅にはどのような設備が採用される?


エコ住宅で省エネを実現するために必要な設備をご存知でしょうか。ここでは、エコ住宅によく使われる設備について詳しくご紹介します。


太陽光発電パネル:自家発電をして消費エネルギー減

太陽光発電パネルは、エコ住宅において採用されることの多い省エネ設備の一つです。自家発電により、住まいの電気を太陽光発電によって賄えるため、消費エネルギーを減らすことができます。電力が余れば、売電できるのも嬉しいですね。


太陽光発電について詳しく知りたい方はこちら

【関連記事】太陽光発電のメリット・デメリット。売電やマイホームへの設置費用


断熱サッシや複層ガラス:高気密・高断熱を実現

高気密・高断熱の住まいを建てる際の有効な手段に「開口部の断熱」があります。熱の出入りが最も大きい「窓」は、断熱を考える上で重要なポイントと言えるでしょう。窓の断熱性能は、ガラスとサッシの組み合わせにより決まるため、エコ住宅においては断熱性の高い断熱サッシや複層ガラスを用いることが多いです。


エコキュート:電気で沸かす給湯器でCO2を削減

エコキュートとは、電気でお湯を沸かす給湯器のことです。ガスを使わないためCO2の排出量を削減でき、環境への負荷を軽減することができます。電気料金が安くなる深夜電力を使用してお湯を沸かすため、経済的であることもメリットではないでしょうか。


エコ住宅のメリット


新築としてエコ住宅を検討する際に、メリットを知りたい方もいるでしょう。ここでは、エコ住宅ならではの魅力をご紹介します。


メリット①光熱費を節約できる

エコ住宅は、従来の住宅に比べ消費エネルギーを抑えられるため、光熱費の節約につながります。実際にエコ住宅で暮らしている方からは「高気密・高断熱の家にしたおかげで、冷暖房の使用が減り、夏や冬の電気代が大幅に減った」「太陽光発電があるので電気代を支払わなくて済む」といった声があります。


メリット②屋内の温度差が少なく、健康的に暮らせる

エコ住宅は室内の温度差が小さいため、ヒートショックなど急な温度変化による体調不良の心配が少なくなるでしょう。住宅の結露や木材の腐食といった事態も起きにくく、安心して健康的に暮らせる住まいとなりそうです。


メリット③自然災害に対応しやすい

エコ住宅に太陽光発電システムを備えておけば、太陽光による自家発電ができるため自然災害時にも非常用コンセントなどを用いて電力を使うことが可能です。蓄電池と組み合わせれば、電力を貯めておくことができるため、太陽が沈んだ夜間にも電力を使うことができて安心です。


エコ住宅のデメリット


エコ住宅にはメリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、建築前にしっておきたいデメリットをご紹介します。


デメリット①建築費が高い

エコ住宅は、従来の注文住宅に比べて建築費が高額になるケースが多いです。省エネ性能の高い素材や工法を用いて家を建てることになるため、どうしてもコストがかかってしまいます。補助金や減税制度を上手く活用して家づくりを進めたいですね。


デメリット②エコ住宅を施工可能な住宅会社を選ぶ必要がある

エコ住宅を建てる際には、エコ住宅の建築基準に詳しい住宅会社を選ぶ方が安心でしょう。なぜなら、省エネ住宅基準は、全国一律ではなく気候条件によって内容がさまざまであるためです。ホームページを見たり、資料請求を行ったりして、実績や経験のある住宅会社を探してみてはいかがでしょうか。


《事例紹介》大手ハウスメーカーで建てるエコ住宅


大手ハウスメーカーでエコ住宅を建築したいと検討している方もいるのではないでしょうか。大手ハウスメーカーが建てる新築住宅の実例として、「省エネ」「創エネ」「畜エネ」の3つに配慮した家計に優しいエコライフを実現した住まいや、オリジナルの断熱材を使用し、環境性能の高い住まいなどがあります。また、ハウスメーカー独自のノウハウを活かし、エコと同時にデザイン性にも配慮したマイホームを建築することも可能でしょう。


住宅カタログや資料を請求したり、ホームページを見たりして、大手ハウスメーカーでのエコ住宅購入を検討してみてはいかがでしょうか。


大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較したい方はこちら

【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


エコ住宅の補助金制度を活用し、マイホームを建てよう


エコ住宅の特徴や住宅の種類、補助金制度などについてご紹介しました。エコ住宅は、環境に配慮した住宅として、国をあげて推進している住まいです。建築費用が高いといったデメリットもありますが、補助金制度を上手に活用して検討できるとよいでしょう


大手ハウスメーカーでも、さまざまなモデルを扱っているので参考にしてみるとよさそうです。マイホームとして、環境に配慮したエコ住宅の暮らしを手に入れられるとよいですね。

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