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インナーバルコニーとは?メリット・デメリットからおしゃれな外観づくりのコツ、設置時の注意点まで解説

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2025-11-13
間取り・設備

戸建てにインナーバルコニーを検討しているけれど、「インナーバルコニーって、ベランダやサンルームとどう違うの?」「おしゃれな外観にするにはどうすればいい?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。今回は、インナーバルコニーのメリット・デメリットから、おしゃれに見せる外観づくりのコツや、設置後に後悔しないためのポイントまでくわしくご紹介します。


インナーバルコニーとは?


まずは、一般的なバルコニーやベランダ、サンルームとの違いを見ていきましょう。


一般的なバルコニーとの違い

インナーバルコニーは、建物の一部が内側に窪んだ形状で、屋根が付いたバルコニーのこと。一般的に住宅の2階以上に設置されるもので、室内空間と外空間をつなげてもう一つの部屋のように使える点が魅力です。室内の開放感を高めつつ、天候の影響を受けにくい多目的な空間として注目されています。


ベランダとの違い

ベランダは、建物の外側に張り出した屋根付きのスペースを指します。インナーバルコニーと大きく異なるのは、設置場所が建物の外か内かという点です。


インナーバルコニーが建物内部に設けられているのに対し、ベランダは完全に外部に位置します。建築基準法上での大きな区別はありませんが、ベランダはバルコニーよりも奥行きが浅く、コンパクトな印象を持たれることが多いようです。


【関連記事】一戸建てにバルコニーをつくりたい。必要な広さやべランダとの違いとは


サンルームとの違い

サンルームは、太陽光を最大限に取り込むため、屋根や壁の大部分をガラス張りにした空間です。2階に限らず1階にも設置可能で、雨や風などの影響を受けずに洗濯物を干したり、趣味の空間として活用したりできます。サンルームは外部と遮断された室内的な空間であるのに対し、インナーバルコニーは、屋外空間という点が大きな違いといえるでしょう。


インナーバルコニーのメリットと活用アイデア


インナーバルコニーは、単なる屋外スペースではなく、あなたのライフスタイルに合わせてさまざまな使い方ができる空間です。アイデア次第でその可能性は無限に広がります。


【活用アイデア】

  • ガーデニング
  • バーベキュー
  • 子どもの遊び場
  • 洗濯スペース
  • アウトドアグッズの収納スペース など


せっかく戸建てにインナーバルコニーを設けるなら、そのメリットを最大限に活かしたいですよね。ここからは、インナーバルコニーがもたらすメリットと、暮らしを豊かにする活用アイデアを具体的にご紹介します。


開放的な外空間が身近になる

屋根に守られたインナーバルコニーは、まるで室内の延長のように、気軽に自然の光や心地よい風を感じられる開放的な空間です。


庭を広く取れない都市部の住宅や空間を有効活用したい狭小住宅でも、インナーバルコニーにテーブルやソファを置けば、開放的なカフェテラスに早変わり。読書をしたり、ティータイムを楽しんだりと、日常にちょっとした贅沢をプラスできます。また、ガーデニングや家庭菜園を楽しむのにも最適です。


天候に左右されず、雨の日も安心して過ごせる

インナーバルコニーの魅力の一つは、建物の内側にある屋根付きの空間のため、天候に左右されにくい点です。お子様とシャボン玉遊びをしたり、雨音を聞きながらゆったりと読書を楽しんだりするのはいかがでしょうか。


また、急な悪天候でも洗濯物が濡れてしまう心配がありません。外出中に天候が変わりそうなときでも、安心して洗濯物を干しておけるのは大きなメリットです。インナーバルコニーに隣接するよう、室内干しスペースやランドリースペース、ウォークインクローゼットを設けると、洗濯物を「干す・乾かす・しまう」という一連の家事動線が格段に短縮できるでしょう。


花粉などの飛散が気になる季節でも、インナーバルコニーを活用すれば、外気に触れずに快適に洗濯物を乾かすことができます。


リビングの延長として活用できる

インナーバルコニーは、リビングに隣接させることで、セカンドリビングのような空間として活用することができます。


例えば2階がリビングの場合、インナーバルコニーを設けることで、視線が外へと広がり、リビングを実際以上に広々とした空間に演出できます。大きな窓や開放的なドアでリビングとインナーバルコニーをつなげるのもおすすめです。ハンモックを吊るして、アウトドア気分を味わいながらゆったりとした時間を過ごすのも素敵です。


インナーバルコニー導入前に知っておくべきデメリット


魅力的なインナーバルコニーですが、設置後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためには、メリットだけではなく、デメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。ここでは、インナーバルコニーを設置する際に考慮すべきデメリットをご紹介します。


通常のバルコニーと比べ建築コストが高額になる

インナーバルコニーは、屋根や壁がある分、通常のバルコニーよりも建築費用が高くなる傾向があります。その理由は、下の階に対して断熱材を敷いたり、雨漏りを防ぐための防水加工をしたりと、屋根や壁、床への造作費用がかかってくるためです。費用に関しては、あらかじめハウスメーカーの担当者に詳細な見積もりを依頼し、総費用をしっかり確認しておくと安心です。


床面積に含まれるため固定資産税がかかる

インナーバルコニーを検討する上で見過ごせないのが、固定資産税の問題です。固定資産税とは、所有する土地や家屋に対して毎年支払わなければならない税金のことです。


一般的なベランダやバルコニーは、奥行きが2mを超えない場合など、一定の条件を満たせば固定資産税の課税対象となる床面積には含まれません。しかし、屋根があり、建物の一部として扱われるインナーバルコニーは、原則として床面積に算入され、固定資産税が発生する場合がほとんどです。


さらに、インナーバルコニーの広さは、建物の容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)にも影響します。容積率には上限があるため、特に敷地面積に限りのある家を建てる場合は、インナーバルコニーの必要性と、他の居室とのバランスを慎重に検討することが重要です。


【関連記事】バルコニーは床面積に算入されない。幅2m超など算入時の規定も解説

【関連記事】一戸建てにかかる固定資産税の計算方法や支払い時期。マンションと税額の違いはある?


間取りの自由度が下がり、隣室が暗くなることもある

インナーバルコニーには、屋根や壁があるため、設置する方角によっては注意が必要です。特に北向きのインナーバルコニーは、部屋の日当たりが悪く、冬場は寒さを感じやすい傾向があります。


また、リビングに隣接する場合、インナーバルコニーの屋根や壁が室内の採光を遮り、部屋全体が暗くなる可能性も考慮しなければなりません。採光計画をしっかりと立て、自然光を最大限に活かせる間取りにすることが大切です。


実際にインナーバルコニーを作った方からは、「隣の家との距離が近くて光や風を十分に取り込めなかった」という失敗の声も聞かれます。憧れのインナーバルコニーも、快適性が劣れば結局使わなってしまう可能性も少なくありません。どのような用途で使いたいか事前に計画をたて、目的に合った快適なインナーバルコニーづくりを目指しましょう。


【関連記事】一戸建て住宅の平均坪数や延床面積。求める広さはどのくらい?


定期的なメンテナンスの費用と手間が発生する

インナーバルコニーは、汚れが溜まりやすいため、日頃からゴミやほこりなどを除去するための清掃が不可欠です。屋根があるので雨風に直接さらされるわけではありませんが、インナーバルコニーをガーデニングなどに活用している場合や材質が木製の場合などは、メンテナンスを怠ると劣化が早く進む可能性があります。


手間を少しでも減らすためには、床材にタイルや防水性の高い素材を選ぶなど、初期設計の段階でメンテナンスしやすい工夫をするとよいでしょう。


【インナーバルコニーのメンテナンス方法】

  1. 床面や壁などのゴミやほこりを取り除く
  2. ブラシなどで拭き掃除を行う
  3. 排水口清掃を行う


おしゃれなデザインのインナーバルコニーで暮らしを彩る!外観づくりのコツ


インナーバルコニーのある住まいは、凹凸の少ないシンプルな外観が魅力です。一方で、それが「面白味のない外観」だと感じる方もいるかもしれません。ここでは、インナーバルコニーの良さを活かしつつ、おしゃれで印象的な外観に仕上げるコツを具体的な事例を交えてご紹介します。


外壁カラーで魅せる!コントラストを効かせて個性を演出

インナーバルコニーの天井材に温かみのある木材を採用し、外壁との雰囲気に変化をもたせることで素材のコントラストが際立ち、おしゃれでデザイン性の高い空間が実現した事例があります。


インナーバルコニーを家族の憩いの場であるリビングの延長として考え、室内の床材と連続性のある素材を選ぶことで内と外の一体感が生まれ、開放的な印象を与えます。採光性を高める工夫として、インナーバルコニーの天井に天窓をつけるのもおすすめです。


直線デザインを際立たせ、シャープな印象をプラス

インナーバルコニーの凹凸の少ないシンプルな外観は、直線が活きる「片流れ屋根」との相性がよく、おしゃれな外観づくりにオススメの組み合わせです。屋根の傾斜とバルコニーの水平ラインが呼応し、洗練されたモダンな印象を与えるでしょう。構造的にもすっきりまとまりやすく、コスト面でもメリットがある場合があります。


あえて外から目立つ手すりなどを設置せずに仕上げるのはいかがでしょうか。もちろん安全面への配慮は必要ですが、見た目がシンプルになり、より一層スタイリッシュでおしゃれな印象を与えるでしょう。


平屋でもインナーバルコニー風の空間づくりが可能

一般的にインナーバルコニーは、住宅の2階以上に設けられていることが多いですが、平屋でもインナーバルコニーのような開放的な空間づくりは可能です。


例えば、リビングから続くようにウッドデッキのテラスを設けることで、室内の延長のような開放的な空間が生まれます。庭との段差を少なくすれば、視覚的にも一体感が生まれ、お子様の遊び場や、ティータイムを楽しむ空間としても活用できます。


また、昔ながらの和風住宅のように、庇(ひさし)を長くすることで、夏の強い日差しを遮り、室内の温度上昇を抑える効果があります。雨の日でも窓を開けて換気できるなど、天候に限らず外の空気を感じられるため、まさにインナーバルコニーのような室内と外の中間領域として活用できるでしょう。


インナーバルコニーを快適に使うための注意点


インナーバルコニーは、暮らしを豊かにする魅力的な空間ですが、利用目的を事前に考えておかないと、入居後に後悔することも少なくありません。「思ったより狭くて使いにくい」「日当たりが悪くて洗濯物が乾かない」といった後悔の声も聞かれます。インナーバルコニーを快適に活用するために、設ける前にぜひ知っておきたい重要な注意点を解説します。


目的を明確にして間取りや窓の位置を決める

インナーバルコニーを設置する際は、目的に合わせた間取りとなっているか考える必要があります。インナーバルコニーを洗濯物を干す場所として考えているなら、風通しがよく、日当たりのよい南向きの間取りが基本です。しかし、隣家との距離や配置、インナーバルコニーの奥行きや屋根の形状によっては、風通しが悪かったり、十分に日当たりを確保できなかったりする場合もあります。


洗濯物の量が多い家庭や、布団などを干したい場合は、十分な広さと採光、風の通り道を考慮して、窓の位置や開閉方法までしっかり検討することが大切です。


プライバシーを守る目隠しフェンスやルーバーを設置する

狭小地や人通りの多い場所に家が立地している場合、外からの視線が気になるところです。外からの視線を遮り、プライベートな空間を確保するために、目隠しフェンスやルーバー(細長い羽板を隙間をあけて平行に並べたもの)などを高めに設置する対策を検討しましょう。


水道や照明、手すりなどの設備計画を立てる

インナーバルコニーをより快適に使うためには、用途に合わせた設備の設置も検討しましょう。水道があると、外から飛んできた砂やほこりなどが溜まりやすいインナーバルコニーでは重宝します。スロップシンクなら、靴やガーデニング用品など、泥で汚れた物を洗うのにも便利です。


夜間や薄暗い時間帯にインナーバルコニーを利用するなら、照明をつけるためのコンセントの設置が必要になります。また、安全性を高める手すりの設置は、布団を干すときに布団バサミを固定するのに使え、外を眺める際にもつかまることができるため小さなお子さんや高齢の方がいるご家庭では特に安心です。


台風や強風に備えてアイテム収納を確保しておく

インナーバルコニーに椅子やテーブルを置きっぱなしにしていると、台風や強風などの悪天候時に飛ばされる危険性があります。椅子などのアイテムを使用しないときに安全にしまっておける収納スペースを確保しておきましょう。


インナーバルコニーに十分な広さがない場合は、室内に収納スペースを設けるのもよいでしょう。その際は、出し入れしやすい動線を考慮しておくと移動の負担が少なくなりますね。折りたたみ式のものを選ぶのも、省スペースで収納するのに有効な手段です。


【関連記事】インナーバルコニーでの後悔談を紹介!失敗しないためのポイントは?


インナーバルコニー後付けの費用相場|窓付きも解説


新築時にインナーバルコニーを設置していなくても、既存のバルコニーをインナーバルコニーにリフォームしたり、間取りを変更したりすることで、後からインナーバルコニーを設けることは可能です。その場合、おおよそどのくらいの費用がかかるのでしょうか。


既存のバルコニーに屋根を設置してインナーバルコニーにする場合、1坪あたり約40万円〜50万円程度が一般的な費用相場とされています。また、既存のインナーバルコニーに窓をつける場合は、バルコニーの屋根と手すりの間に壁を増設し、窓枠を設置する工事が必要になります。その場合も、1坪あたり約40万円〜50万円程度の費用相場となります。


このほか、もともとある大きな部屋に間仕切り壁を新設し、インナーバルコニーのような空間を設けるなど、インナーバルコニーを後付けする方法はさまざまです。最適な方法と費用は、複数のリフォーム会社に相談して決めることをおすすめします。


大手ハウスメーカーで叶える!理想のインナーバルコニー付き住宅


豊富な経験と実績を持つ大手ハウスメーカーに依頼し、新築の注文住宅にインナーバルコニーを設置したいと考えている方もいるかもしれません。ここでは、実際の間取りプランとともに、大手ハウスメーカーならではの提案力をご紹介します。


【間取り実例】都市部の豊かな暮らしを実現するインナーバルコニーのある住まい

都市部でよく見られる狭小地や庭がない家でも、2階や3階にインナーバルコニーを設けることで、マルチに使える開放的な屋外空間を実現した間取りがあります。外壁や植栽などを効果的に配置することで、外部からの視線を気にせずプライベート空間を楽しむことができます。


天候に左右されにくいというインナーバルコニーの利点を活かし、カーペットを敷いて素足で出入りできるセカンドリビングとして活用する方法もあります。バーベキューやおうちキャンプなど、自宅にいながらアウトドアを楽しむのもオススメです。敷地の広さやほかの間取りとの兼ね合いもありますが、インナーバルコニーがあることによって暮らしに彩りをもたらすことができそうですね。


【関連記事】大手ハウスメーカーの特徴を一覧で比較!工務店との違いやおすすめポイント


インナーバルコニーで暮らしを豊かに!用途をイメージして賢い家づくりを


開放感あふれるインナーバルコニーは、洗濯物を乾かすだけでなく、家族や友人とバーベキューやガーデニングを楽しんだり、子どもの遊び場として活用したりと、暮らしの可能性をぐっと広げてくれる特別な場所。使い方次第で、あなたのプライベート空間はより充実したものになります。


設置にあたっては、固定資産税がかかる点や、将来的なライフスタイルの変化も視野に入れておきましょう。家づくりで後悔しないためには、事前にメリット・デメリットをしっかり理解しておくことが大切です。おしゃれで機能的なインナーバルコニーを取り入れて、理想のマイホームづくりを成功させましょう。

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